『月に囚われた男(Moon)』 人類が直面する未来を描いた問題作!

人類が直面する未来を描いた問題作!

月に囚われた男、月面シーン

そもそも月の赴任地で働く人数が、たったの一人というのも変な話なのですが、ここでピンと来る人は勘の鋭い人ですね。

私などは、主人公の孤独感を演出したいがための無理な設定だと思って観ていましたが、そうではありませんでした。これは、やがて人類が直面する未来を描いた問題作なのです。

映画の主題は「クローン人間」

『月に囚われた男』は、SFスリラーとして紹介されていますが、社会風刺の映画とも言えます。

この映画の原題は、非常にシンプルで『Moon』となっています。人間の狂気を意味する言葉にルナティックという英単語がありますが、これは月(Luna)から派生している言葉です。

狼男の例でも分かるように、古来より月は「人を狂わす」とも考えられているのですね。

満月

映画の設定は、月が舞台となっていますが、映画の主題は「クローン人間」です。

人間が生み出した狂気として、クローン人間がテーマになっているのであり、その舞台として狂気を意味する月を選んだのではないでしょうか?

そうだとするならば、さりげなくテーマと場所の設定が結び付いていて、非常にうまいと思います。

月に囚われた男、事故車から自分に似た男を発見

月に囚われた男、二人のサム1
▲事故車から自分とそっくりの男を発見し、戸惑う主人公。俳優のサム・ロックウェルが一人二役を見事にこなしています。

人間の狂気が生み出した未来

Amazonのレビューを見ると、この映画は、エイリアンのようなSFホラーを観たい人には、少し物足りなさを感じてしまうようです。

『月に囚われた男』という邦題が、ホラー的な怖さを煽っているせいなのかもしれません。でも、私には映画エイリアンとは違う意味で、十分に怖い映画でした。

なぜならば、人類は近い将来、クローン人間の問題に必ず直面することになるからです。その意味で社会風刺の映画とも書いたわけです。

『月に囚われた男』に登場するクローン人間

月に囚われた男、二人のサム2

クローンとは、DNAの複製によって、そっくりな生物を生み出すことができる技術です。『月に囚われた男』では、月で働く労働者のクローン人間が作られます。

月での作業は危険が伴いますし、何よりも孤独です。人材教育にも、莫大なお金が掛かります。そこで安定的に人員を確保するために、クローン人間が作られたわけです。

しかし、クローン人間は、元の人間の記憶が引き継がれているために、自分がクローンであると知りません。クローンは、3年間の契約期間が経ったら、愛する家族のいる地球に戻れると夢見て働いているわけです。

クローン人間は、取り替えが可能

月に囚われた男、動けないサム

ところが、クローン人間は3年ほどで寿命を迎えてしまいます。まだクローン技術が未熟なために、機械みたいにガタが来てしまうようです。

そこで、あらかじめ何体ものクローンを作っておいて、今のクローンがダメになったら、新しいクローンを眠りから覚まして、また3年間働かせるわけです。

幾世代にもわたって、クローンたちは地球に帰れることを夢見て働いているのですが、彼らは永遠に地球に戻れない運命にあります。

彼ら自身は人間として生きているつもりでも、壊れたら取り替えられてしまう機械でしかないのです。

ロボットのほうが人間味がある

月に囚われた男、ガーティ

『月に囚われた男』でおもしろいのは、ロボットのほうが、人間味のある感情を持っている点です。

ガーティは会社側のプログラムで作られたロボットであり、本来ならばサムを厳しく監視しなければならない立場にありながら、事ある度にサムを助ける行動を取ります。

クローン人間を騙して働かせている会社の幹部たちよりも、ロボットのほうに人間味を持たせることで、かえって人間の狂気が際立って見えます。これもよく考えられた設定だと思います。

近未来の予言的な映画

過去、日本に原爆が投下されたように、科学の進歩が人間を狂わせてしまうこともありますが、本来、科学とは中立です。技術そのものに善悪はありません。技術の使われ方によって、善にも悪にもなります。

技術を使うのは人間ですから、狂気は科学にあるのではなく、人間の内に存在しています。

人間が神のごとく生命を生み出し、それを機械のように使える社会が到来したとしたら、それは狂気の世界でしょうか?

それとも、素晴らしい科学の成果なのでしょうか?

月に囚われた男、家に帰りたいサム

『月に囚われた男』は、生命の根源的な問題も含めて、改めて人間の持っている狂気を考えさせてくれる映画です。

昔はSFの世界でしかなかったクローン人間ですが、21世紀には現実の世界になっている可能性があります。ある意味、これは予言的な映画でもあります。

クローン人間のサムは、果たして家に帰ることが出来るのでしょうか? 観ていない人は、ぜひ映画をご覧ください!

月に囚われた男

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蛇足になりますが、映画のラストのシーンでナレーションが入る場面があるのですが、それが作品を台無しにしているという、いかにも玄人っぽい意見がけっこう見られます。

でも個人的には、そうは思いません。この映画は、人類が未来で直面するであろう問題を取り扱っているので、警鐘を鳴らす意味でも、分かりやすくメッセージを伝えるという部分は必要だと思うのです。

映画作品としては、余韻を残したほうが名作と言われるのかもしれませんが、私はナレーションを入れた製作陣を支持します。

もちろん映画の見方は人それぞれであり、正解はありませんので、この点も含めて映画をお楽しみください!

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