アニメ『いぬやしき』感想。初老男がヒーローになる設定が面白い!

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いぬやしき1

アニメ『いぬやしき』は、冴えない初老のサラリーマンが、地球を救うヒーローになる!という物語です。

そう書くと、コミカルな作品と思うかもしれませんが、いたってシリアスな作品です。

主人公の犬屋敷壱郎(いぬやしきいちろう)は58才ですが、実年齢よりも遙かに老け込んでおり、お爺さんにしか見えません。自分が死んでも、妻や子どもが悲しんでくれるかも分からないという男性なのです。

そんな男性がアニメの主人公であり、しかもヒーロー役なのですから、「いったい、誰が観るのだろう?」と、普通なら首を傾げたくなる設定です。

でも、アニメ『いぬやしき』は、面白かったです! 2018年4月20日には、木梨憲武&佐藤健主演の実写版の映画も公開されています!

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アニメ『いぬやしき』のあらすじ

アニメ『いぬやしき』のあらすじを簡単にご紹介します。

主人公は、定年間近のサラリーマン犬屋敷壱郎・58才です。会社では日陰の存在で、家族からも疎外されている上に、ある日、医者から余命3ヶ月の末期ガンの宣告を受けます。

ただただ、真面目に生きてきただけの犬屋敷壱郎に、神は最後の慈悲も与えないのかと思いきや、その晩、彼はUFOの墜落に巻き込まれ、機械人間の体に生まれ変わります。

この瞬間から、末期ガンを宣告されていた犬屋敷壱郎は、人間を超越する強大な力を手に入れることになったのです。

一方、偶然にもその晩、同じUFO墜落事故に居合わせたイケメン高校生・獅子神皓も、犬屋敷壱郎と同様に、機械人間として生まれ変わり、強大な力を手に入れます。

ここで、初老のヒーロー・犬屋敷壱郎と、イケメン高校生の悪役・獅子神皓が誕生し、二人の運命は真っ二つに分かれます。

二人は同じように強大な力を手に入れながらも、その力を犬屋敷壱郎は人の命を救うことに使い、獅子神皓は無差別に人々を殺戮することに使い始めたのです。

運命の悪戯で、人間ではなくなってしまった二人が、人間性を取り戻すために全く真逆の行動を取り、やがて対決することになります。

獅子神皓による大量殺戮によって日本は大パニックに陥りますが、さらに地球に巨大隕石が接近しており、人類そのものが滅亡の危機を迎えようとしています。

ストーリーは人類存亡の危機にまで広がっていくのですが、冴えない初老男のヒーローがどうやって地球を救うのか、予想外のクライマックスを迎えることになります!

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前代未聞、じじいがヒーローに!

アニメ『いぬやしき』のコミック原作者は、『変[HEN]』や『GANTZ』で知られる奥浩哉さんです。

奥浩哉さんへのインタビュー記事によると、『いぬやしき』では、最初は童貞の不細工な男の子を主人公にしたヒーローものを考えていたそうです。

でも、絵を描いてもしっくりこなかったので、ふと、おじいちゃんを描いてみたことが、今回の『いぬやしき』のきっかけになったとのことです。

最初から、今までのヒーロー像とは異なるヒーローを考えていたようですね。とはいえ、顔にしわのある猫背の爺さんが、どうすれば格好良いヒーローになるのでしょうか?

『いぬやしき』では、その答は見た目にあるのではなく、ヒーローが取る行動そのものの中にあります。

要するに、「何のために戦うのか?」ということが、ヒーローには問われるのです。

こちらは、アニメ化された『いぬやしき』の原作コミック(10巻完結)です。電子書籍のコミック一巻目は、0円になっています(原稿執筆時の現在)。

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アニメ『いぬやしき』の主人公

『いぬやしき』には様々な人物が登場し、それぞれに良い味を出しているのですが、ここではヒーローと悪役の二人に絞ってご紹介します。

二人とも機械人間にさえならなければ、平凡な人生を歩んでいたはずですが、ある夜突如として、運命の歯車が制御不能の大暴走を始めます。

人間、誰もがヒーローや大悪人になる要素を持っていることを、『いぬやしき』は暗示しているのではないでしょうか?

ヒーロー役:犬屋敷 壱郎(いぬやしき いちろう)

犬屋敷壱郎の声:小日向文世

アニメ『いぬやしき』の主人公・犬屋敷壱郎は定年間近の58才の初老のサラリーマンです。健康診断で胃ガンが発覚し、余命3か月と宣告されて人生に絶望します。

実写映画の人生ドラマとしてならば主人公になり得ますが、アニメのヒーロー役としては、もっともふさわしくない人物でしょう。

しかしUFOの墜落事故に巻き込まれてしまい、宇宙人が機械人間として復活し、後にスーパーマンをも超える大活躍をします。

悪役:獅子神 皓(ししがみ ひろ)

獅子神皓の声:村上虹郎

もう一人の主人公は、イケメン高校生の獅子神皓です。彼も機械人間となり、後に無差別の大量殺戮を繰り返すようになります。

ただし、幼馴染みの友人と母親には優しく、典型的な大悪人というわけではありません。自分を家にかくまってくれたクラスメートの女の子とそのお婆ちゃんにも、深い恩義を感じるようになります。

普通の優しい男の子の面と、史上最悪のサイコパスの両面を併せ持っているので、ある意味、犬屋敷壱郎よりも描くのが難しいキャラクターだったのではないでしょうか?

村上虹郎さんが声優を担当しており、Amazonのコメントを見ると不評のようですが、私は独特の声のトーンがうまくキャラにハマッているように思いました。

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実写版の『いぬやしき』

実写版の『いぬやしき』も2018年4月22日に公開されます。ヒーローの犬屋敷壱郎は木梨憲武さん、悪役の獅子神皓は佐藤健さんが演じます。

犬屋敷壱郎は、ベテランの熟練した俳優が怪演をしても、逆にシラけてしまうかもしれないので、とんねるずの木梨憲武さんはハマリ役だと思います。

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実写版のブルーレイ/DVDも発売されています!

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アニメ『いぬやしき』はAmazonプライムビデオで観られます!

『いぬやしき』は、人間が機械の体となり、超越的な能力を発揮する以外には、人間ドラマで成り立っているアニメです。アニメの質も高く、大人向けのアニメです。

普段あまりアニメは観ないという人でも、楽しめる作品に仕上がっています。

ただ、誰にでもお勧めしようとは思いません。悪役の獅子神皓が無差別に人間を殺戮していくシーンが多々あり、そのような描写を受け付けない人は観ないほうがいいと思います。

また、警察部隊がいきなり民家に突入して銃を乱射するというような、日本では有り得ない場面もあったりするので、いちいちツッコミを入れたくなる人にもお勧めしません。

あとは面白いかどうかは人それぞれですが、これから公開される実写版も話題になりそうなので観て損はしないでしょう。『いぬやしき』は描写も素晴らしいのですが、今の時代の空気感も、うまく作品に取り込んでいるアニメだと思います。

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2018年11月15日時点の情報になります。公式サイトでご確認ください。
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