あなたは天国の存在を信じるでしょうか? 天国が本当にあるのかないのか、それを語れるのは、実際に天国を見て来た人だけです。
『天国は、ほんとうにある―天国へ旅して帰ってきた小さな男の子の驚くべき物語』は、アメリカの牧師が息子に起きた臨死体験を綴った実話です。全米で大ベストセラーとなり、2014年には映画にもなりました。
臨死体験で見たという天国は、夢や幻覚と言われています。但し、それだけでは説明の付かないケースが、実際には多々あります。
『天国は、ほんとうにある』のコルトン少年の場合もそうでした。彼が見た天国には、夢や幻覚では語れるはずのない事実が含まれていたのです。
天国を信じる人も、信じない人も、ぜひ続きをお読みください!
臨死体験とは何か?
そもそも臨死体験とは何でしょうか? 臨死体験は、英語では“Near Death Experience”と呼ばれています。心肺停止など、死に近い状況に置かれた時、患者が体験したことを意味します。
それは、さぞかし苦しい体験なのかと思いきや、そうでもありません。この臨死体験において、「天国を見た」と証言する人たちが、世界中に数多くいるのです。
しかし、臨死体験で患者が見たという天国は、「夢を見ていただけ」と片付けられるのが普通です。
人間は死の直前になると、苦痛を和らげるため、鎮痛作用のある脳内物質のエンドルフィンを放出します。これが、あたかも天国を見たかのような錯覚を、作り出していると言われているのです。
ところが、これですべての臨死体験が解明できるわけではありません。脳の錯覚では説明のできないケースもあるからです。
「臨死体験とは何か?」を考えるならば、この点にも公正に向き合わなければいけません。以下より、『天国は、ほんとうにある』のコルトン少年の臨死体験をご紹介します。
コルトン少年の臨死体験
『天国は、ほんとうにある』では、米国ネブラスカ州インペリアルの牧師トッド・バーポが、息子のコルトンの臨死体験を綴っています。
2003年3月5日、当時3歳の長男コルトンが高熱を出し、病院に緊急搬送されます。虫垂が破裂し、危険な状態であることが判明して緊急手術になりますが、奇跡的に回復します。
その後、コルトンは手術中に天国に旅立っていたという、驚愕の内容を話し始めたのです。
手術中に見た両親の姿
当時のコルトン少年は、麻酔をかけられており、意識のない状態にありました。そのような状況に置かれていながら、コルトンは以下のように話しています。
僕、体から出てね、下を見たら先生が僕の体を診ていたの。
パパは小さな部屋にいて、祈ってた。ママは違う部屋で、電話をしていた。
そして実際に、両親がいた場所と行動は、コルトンの証言と見事に一致していました。しかし、これに対しては、以下のような反論もできます。
- 父親は牧師なので、息子の手術中に祈っていたのは当然である。
- 息子を心配する母親が、知人などに電話をするのは普通の行動である。
確かに、両親の取っていた行動は、手術中のコルトンの証言と一致していたとしても、不思議ではありませんね。しかし、コルトンの証言は、これだけではありませんでした。
死んだ肉親と会う
コルトンの臨死体験が、ただの夢や空想ではなかった証拠として、以下の点が挙げられています。
もう一人の姉の存在
コルトンには姉のキャシーがいますが、実は、母親が流産していたもう一人の姉がいたのです。コルトンは、その姉と天国で会って、抱きしめられたと言っています。
もちろん、母親が流産していた話なんて、当時まだ3歳だったコルトンには一度も話したことはありません。
従兄弟の女の子と勘違いをしているのではないかしら?と思った母親は、「そのお姉さんの名前は、何て言うの?」と、さりげなくコルトンに聞いてみました。
するとコルトンは、「名前はないよ。だって、ママもパパも名前を付けてあげなかったでしょ?」と答えています。
これには両親も絶句しました。流産しているので、性別も分からないままであり、名前も付けていなかったからです。
祖父の存在
コルトンは、会ったことのない祖父(父トッドの父親)とも、天国で会っていると証言しています。
しかも、年老いた頃の祖父の写真を見せても、コルトンは反応しませんでしたが、若かった頃の祖父の写真を見せると、「この人だった」と証言しているのです。
コルトンいわく、天国では、みんな若い姿に戻るのだそうです。臨死体験では、死んだ肉親と会うことがよくありますが、コルトンの場合は、姉も祖父も実際には会ったことのない人でした。
コルトンの知るはずがない肉親と、天国で会っていた点が注目されます。
天国の存在を、信じたくない?
天国はあるのか、それともないのか。それは個人の宗教や思想の違いによって、返ってくる答は異なるのだと思います。
しかし、本当はもっと個人的な感情として、「天国なんてない!」と否定している人も、少なくないのではないでしょうか?
映画『天国は、ほんとうにある』を観てみましたが、その中で、コルトン少年の話を、あからさまに不愉快だと批判する女性がいました。
彼女は教会の主要メンバーであり、信仰心も持っているはずなのですが、なぜか天国の存在は否定しているのです。
よくよく話を聞いてみると、思想上の理由から、否定しているのではありませんでした。実は、その女性の息子は、若くして亡くなってしまっていたのです。
「なぜ神様は、コルトンは助けて、私の息子の命は奪ったのか?」という神への恨みが、「天国などあるものか!」という考えに変わってしまっていたのです。
彼女のように、神や天国の存在を「信じない」というよりも、個人の辛い体験から「信じたくない」という人もいるのです。
これは気持ちとして理解できることなので、映画を観て、こうした点も考えさせられました。
全米ベストセラー『天国は、ほんとうにある』
全米でベストセラーとなった『天国は、ほんとうにある』は、当時3歳の息子が経験した臨死体験を綴っています。現役の牧師が書いた本なので、その点も興味深い内容となっています。
キリスト教を信じているからといって、天国の存在を受け入れられるのかというと、それほど簡単な話ではないようです。
『天国は、ほんとうにある』は映画化もされましたが、最初に本を読んだほうが、内容を理解しやすいと思います。
映画『天国は、ほんとうにある』
映画『天国は、ほんとうにある』は、以下の印象的なナレーションで始まります。
天国など、本当はないのか? それとも、大地や空のように、ちゃんとあるのか?
昔、じいさんに聞いたことがある。「死ななきゃ分からないけど、死んだら教えられないな」と言われた。
まさか自分の息子に、同じ質問をすることになるとは思いもしなかった。
『天国は、ほんとうにある』の映画は、Amazonビデオで観られます! 心が癒される話にもなっているのでお勧めです。