アメリカのリチャード・E・バード海軍少将は、地底世界に迷い込んだ人物として最もよく紹介されている人物でしょう。
地球は空洞になっており、その内部には地底世界が広がっていると聞くとSFの世界の話にしか聞こえませんが、実際にバード少将のように地底世界に行ったという人物がいます。
古来より地底世界の見聞録は数多く伝わっていますが、バード少将の場合は現代に生きた実在の米海軍将校であり、地底世界を撮影したという画像まで残されています。
バード少将が見た地底世界とは、どのようなところだったのでしょうか?
当記事では3ページに渡り、バード少将が指揮したハイジャンプ作戦を始め、彼が見た地底世界の様相や、そこに棲む絶滅種のマンモスや巨人、地底人(アルザル人)の存在についてご紹介します。
地底世界に迷い込んだバード海軍少将
アメリカのバード海軍少将は、北極と南極の両極点の上空を初めて飛行した探検家として知られています。
1926年5月9日に北極点上空を飛行し、続いて1929年11月28日には南極点上空を飛行し、バード少将はアメリカの国民的英雄となりました。
▲ハイジャンプ作戦で指揮を執るリチャード・イヴリン・バード海軍少将(1888~1957年)
北極と南極には、地底世界の出入り口があると言われています。バード少将は両極点の探検家のエキスパートであり、いずれ地底世界に迷い込む運命にあったのかもしれません。
そのきっかけとなったのが、以下に紹介する「ハイジャンプ作戦」です。
バード少将が指揮したハイジャンプ作戦
国民的英雄となったバード少将は、1946~1947年に実施された「ハイジャンプ作戦」の指揮を執ることになります。
ハイジャンプ作戦とは、文字通り「北極と南極の両極点を飛び越える」という意味であり、両上空を飛行機で通過することが目的となります。
この計画には軍事的に大きな意味があり、アメリカから見ると、北極海を挟んでアラスカの向こう側はソ連(現ロシア)になります。
当時の世界は、米ソが対立する冷戦が勃発しており、アメリカとしてはハイジャンプ作戦を実行し、極点での制空権をソ連に誇示する狙いがあったのです。
北極点を通過して白い霧に包まれる
北極点を通過する作戦では、バード少将自らが飛行機に搭乗しました。
作戦決行の当日、バード少将はアラスカ基地を出発して、まっすぐに北極点上空を通過し、そのまま2700キロの距離を飛行してから、Uターンして再びアラスカ基地に帰還する予定でした。
異変が起きたのは、予定通りに北極点上空を通過し、目標の2700キロ地点に差し掛かろうとしていた時でした。
突然、目の前が白い霧で包まれます。飛行中に雲の中に入ってしまい、視界を奪われる現象をホワイト・アウトと呼びますが、それとは様子が違います。霧そのものが、なぜか光って見えるのです。
さらに機体に異変が起きて、高度が徐々に下がり始めました。危険を感じたバード少将は、緊急事態のSOSをアラスカ基地に発信しようしたその時です。
不思議なことに、白い霧が消えて、一瞬にして視界が開けました。
バード少将は、息を呑みました。眼下には、亜熱帯で見られるようなジャングル地帯が広がっていたのです!
バード少将が見た地底世界とマンモス
▲バード少将が上空から撮影した地底世界の写真
氷の世界であるはずの北極圏に、うっそうとしたジャングルの森が広がっています。計器を見ると、氷点下ではなく、摂氏20度にまで上昇しています。
バード少将は目を疑いましたが、同乗している通信士も同じ光景を見ています。バード少将は、「今われわれの眼下にはジャングルが見える」と基地に状況を報告しました。
基地にいる人間は、最初はジョークと思い、真剣に取り合ってくれませんでした。しかし、バード少将が語気を強めて再び報告すると、ようやく事の重大さに気付きました。
「分かった。報告を続けてくれ」と基地から返答があると、バード少将は、以下のように報告しました。
大きな川が無数に見える。遠くには台地が見える。そこには、大きなゾウのような動物が親子で歩いている。
――いや、待てよ。あのゾウは茶色の毛で覆われている。まるでマンモスそっくりだ。というより、マンモス以外には考えられない!
絶滅したはずのマンモスが、森の中を闊歩しているのです。その姿を見て、さすがのバード少将も興奮を抑えられませんでした。
▲地底世界にいるマンモスの親子の写真
上空からバード少将が撮影したと言われています。写真を拡大すると、マンモスの特徴である白い大きな牙が見えます。
再び白い霧の中に入る
バード少将は機体の高度を少し下げました。彼方には地平線が見えて、どこまでもジャングルが続いています。ジャングルの中には無数の河川が蛇行しており、独特な景観を形成しています。
いったい自分たちの身に何が起きているのでしょうか?
バード少将は事態を把握する必要がありましたが、飛行機の燃料が足りません。北極点を通過し、2700キロを飛行してから戻って来る分の燃料しか積んでいないのです。
バード少将は、予定通りに機体をUターンさせるしかありませんでした。すると、霧が噴出しているように見える空間が見えました。それは先ほど機体を包んだ光る霧に似ていました。
「恐らく、この霧が異世界の出入り口になっている」と判断したバード少将は、霧の中へ機体を突っ込みました。
飛行機は光る霧に包まれて、気が付くと、真っ白な氷原の上空を飛行していました。
▲バード少将の飛行ルートが記載された空洞地球の地図
バード少将の報告は最高機密扱いとなる
バード少将は、作戦から7時間後に無事にアラスカ基地に帰還しましたが、すぐさま上層部から呼び出されて、通信内容の真偽について尋問されました。
その後、バード少将の報告は最高機密扱いとなり、ごく一部の情報が新聞のベタ記事で流されたほかは、真相は闇に葬られました。
本来ならば、当記事に書いている内容や写真は私たちには知ることができないトップシークレットなのですが、元政府高官が情報をリークしたために漏れ伝わっているようです。
次ページでは、ハイジャンプ作戦から約10年後に実施された「南極のディープ・フリーズ作戦」についてご紹介します。
この作戦においてもバード少将が指揮を執っているのですが、地底にいる巨人を目撃したり、地底人やUFOに遭遇したりなど、さらに信じられない体験をすることになります。