南極のディープ・フリーズ作戦
1956年1月、アメリカ軍は新たな極点探査「ディープ・フリーズ作戦」を決行します。
これはハイジャンプ作戦同様、南極点上空を飛行し、約3700キロを通過した後にUターンして、南極大陸にあるマクマード基地に帰還する計画です。
その飛行機のパイロットおよび指揮官には、ハイジャンプ作戦と同じく、リチャード・E・バード海軍少将が任命されました。
南極からも地底世界に侵入
ここで考えておきたいのは、ハイジャンプ作戦から10年が経ち、なぜ再びバード少将が指揮官に任命されたのか?ということです。
もしもハイジャンプ作戦におけるバード少将の報告に、少しでも不審点があったならば、今回の指揮官には任命されなかったはずです。
バード少将の前回の報告は信頼できる内容であり、地底世界に侵入した経験が評価されて、新たに「ディープ・フリーズ作戦」の指揮官も務めることになったと思われます。
そう考えると、ディープ・フリーズ作戦の真の目的は、南極大陸の科学調査ではなく、南極からも地底世界に侵入できるか?という実験であった可能性があります。
米軍はすでに地底世界の存在を知っており、ディープ・フリーズ作戦の指揮官には、地底世界を知るバード少将が一番の適任者であったのです。
地底世界の大陸に侵入
ディープ・フリーズ作戦決行の当日、バード少将は順調に飛行を続け、南極点上空を通過して、予定通りに3700キロ付近まで飛行しました。
そこで再び不可解な現象が起きました。光る白い霧が発生して機体を包んだかと思うと、その後に一瞬にして視界が開けて、緑の大地が眼下に広がっていたのです。
この現象は、北極圏でのハイジャンプ作戦で起きたことと、ほぼ同じです。バード少将は以下のようにマクマード基地へ報告しました。
現在、私は南極点の彼方2300マイル(約3700キロ)地点上空を飛行中だが、真下に巨大な大地が見える。どうやら大陸に侵入したようだ。
この「大陸」とは、もちろん南極大陸ではありません。下図のように、南極点から約3700キロの距離には、大陸と見間違う島はなく、南米大陸はもっと遙か先に位置します。
バード少将は、常識的には有り得ない状況を報告しているのですが、「どうやら大陸に侵入したようだ」と冷静であり、あらかじめ想定していたかのように報告している点が注目されます。
言うまでもなく、バード少将が見た大陸とは、地底世界の大陸であったのです。
知りすぎた男の悲運
バード少将はディープ・フリーズ作戦を終えた1956年3月13日、以下のように述べています。
今度の探検は、広大な新しい地域を開いた。
しかし、南極探検は初めてではなく、ディープ・フリーズ作戦において新たな南極大陸の未知なる領域が発見されたわけではありません。
このため、「広大な新しい地域を開いた」というバード少将の発言には、地底世界に侵入したことを暗に伝えているのだという指摘もあります。
地底世界の存在は最高機密情報であり、公式な場ではこの程度の発言に留めておく必要があったのでしょう。
極地の探検家として国民的英雄であったバード少将ですが、ディープ・フリーズ作戦の翌年の1957年に、失意のうちに生涯を終えました。
命令違反を理由に査問委員会にかけられ、これまでの探検記録の全てを機密扱いとすることを誓わされて、晩年は軍によって一種の軟禁状態に置かれたそうです。
英雄の末路には悲運が付きまとうものですが、バード少将は「知りすぎた男」になってしまったのかもしれません。
生前、バード少将はある新聞に次のようなコメントを遺しています。
新しい戦争の場合、アメリカは北極から南極まで信じられない速度で飛ぶ物体を持つ敵に攻撃されるかもしれない。
地球内部の存在は凄まじい速度で移動できる手段を有している。
『月刊ムー 2019年2月号
』より
明らかに「地底世界から来るUFOの存在」を示唆していますが、次ページではバード少将が見た地底世界の様相を纏めてご紹介します。