フラットウッズ・モンスター(通称:3メートルの宇宙人)と呼ばれる、怪物のような宇宙人をご存知でしょうか?
上の写真を一度は見たことがあると思います。昭和のオカルトブームの時代に、子どもたちが度肝を抜かれてトラウマになった伝説の写真です。
実は、これは本物のフラットウッズ・モンスターの写真ではなく、目撃証言の再現イラストをハメ込んだ写真なのですが、一度見たら目に焼き付いて離れませんね!
フラットウッズ・モンスターの正体は謎とされていますが、メンフクロウを誤認した集団ヒステリーとも言われています。
但し、集団ヒステリーで片付けてしまうのには無理がある、と考えている人たちも少なくありません。
フラットウッズ事件が起きてから、12017年9月12日で65周年を迎えましたが、改めてこの事件を振り返ってみたいと思います。
フラットウッズ・モンスターの本当の正体は、何だったのでしょうか?
フラットウッズ・モンスター事件とは?
フラットウッズ・モンスター事件が起きたのは、1952年9月12日、米国ウエストバージニア州ブラクストン郡にある町、フラットウッズ(Flatwoods)です。
人口300人ほどの小さな町ですが、ここで起きた宇宙人遭遇事件が、全米をパニックに巻き込むほどの大事件となります。
ちなみに、同年の7月19日から27日にかけて、有名なUFO事件がアメリカで起きています。ワシントンD.C.上空にUFO編隊が出現した「ワシントンUFO乱舞事件」です。
そのすぐ後に、今度はフラットウッズで奇妙な事件が起きたので、当時のマスコミもは、この事件も大きく取り上げたのです。
普通ならば、田舎町で起きたヨタ話で終わったのかもしれませんが、1952年という年は、UFOや宇宙人の存在が広く認知され始めた重大な節目になっています。
フラットウッズ・モンスター事件の概要
フラットウッズ・モンスター事件の概要を、以下、分かりやすくまとめてみます。
1952年9月12日の夕暮れの7時15分頃、フラットウッズの町で、6人の子どもたち(ニール・ナンレイ、ロニー・シェーバー、トミー・ハイヤー、エドワード・メイとフレッド・メイの兄妹)が、学校のフットボール場で遊んでいました。
すると、真っ赤に輝く平べったい発光体が飛んで来て、近所にあるベイリー・フィッシャー氏の農場の丘に着陸するのを目撃します。
子どもたちは、最初は飛行機か流れ星だと思いましたが、それは丘の上でいつまでも赤く光っています。
不思議に思い、メイ兄弟の母キャサリン・メイ夫人も呼んで、何が落ちたのかをみんなで確かめに行くことにしました。
霧の中に直径7~8メートルの物体
現場に向かう途中、同じく異様な光景を目撃していた美容師と、州兵隊員ユージン・レモン(当時17歳)らも加わり、総勢10人で現場の丘に登ることになります。
落下した現場に辿り着くと、そこには深い霧のようなものが立ちこめています。
霧の中には15メートルほど先に、直径7~8メートル、高さ2メートル程度の火の玉のようなものが、唸るような音を鳴らし、赤い光を点滅させています。
しかし、異様な光景は、それだけではありませんでした。
先頭を歩いていたニール・ナンレイ(当時14歳の少年)が、大きな樫の木の下にも、別の何かが潜んでいるのを発見したのです。
出た! 3メートルの宇宙人!
懐中電灯を向けると、そこには体長3メートルほどもある怪物のような宇宙人が潜んでいました。
その宇宙人は、赤い顔にオレンジ色の大きな瞳を光らせて、トランプのスペードのような形の透明ヘルメットを被っています。
体には、緑色をしたローブを着ており、そこから先端が鈎爪状になった細い腕が見えています。その姿は、まるで修道女のようだったと言います。
宇宙人が異臭ガスを噴射!
不気味なのは、その姿だけではありませんでした。宇宙人は、なんと宙にフワフワと浮遊したのです。
その場にいた者たちが恐怖で硬直していると、宇宙人が「シューッ」という怪音を発しました。
すると、たちまち辺りにはガスが立ちこめて、金属が焼けたような異臭が漂い始めました。
宇宙人は滑るようにして向かって来ます。一行は慌てて、一目散に丘を駆け下りて逃げ出しました。
もう一度、目撃場所に戻ってみると…
逃げ出した一行はメイ夫人の家に戻り、急いで地元紙ブラクストン・デモクラットの記者リー・スチュワートと、郡保安官のロバート・カーに電話をします。
先に駆け付けた記者のスチュワートは、少年たちが丘で何を見たのか、詳しい状況を聞き出します。
その後、夜遅くになって、一行の中で年長者であった州兵隊員レモンとともに、3メートルの宇宙人を見たという丘へ確認に向かいます。
行ってみると、そこには着陸したという光る物体も宇宙人の姿も、すでにありませんでした。しかし、スチュワートは、「胸の悪くなるような金属の臭いが、まだ立ち込めていた」と報じています。
スチュアートは、もう一度、明るくなった翌朝に現場の丘へ向かいました。その時には、UFOの着陸跡を発見したと報じましたが、後日、これは車の車輪の跡であったことが判明しています。
また、郡保安官のロバート・カーが、少し遅れて現場に駆け付けた時にも、辺り一帯を捜索しましたが、そこには何もなかったと報告しています。
しかし、この事件はこれで終わりにはなりませんでした。
フラットウッズ・モンスター事件のポイント
よく紹介されているフラットウッズ・モンスター事件の概要(※書物によって細かな点で相違アリ)を紹介しましたが、以下に大筋のポイントを整理してみます。
何かが着陸したのは間違いない
フラットウッズ・モンスター事件の重要なポイントとして、現場に向かった目撃者が10人という、大人数であった点があげられます。
これは子どもたちを含めての人数ですが、口裏を合わせて嘘を吐いているとは思えない人数です。また、現場に向かう途中、赤く光る発光体を見て駆け付けたという別の人物が加わっています。
これが何を意味しているかというと、少年たちの他にも、赤く光る物体が丘に着陸したのを目撃している人物がいるということです。
さらに他の地元住民たちも、赤く光る物体を目撃していることが分かっています。
実は、メイ夫人が助けを求めて郡保安官に電話した時、保安官は留守だったのですが、先に他の目撃者から「飛行機が落ちたかもしれない」という電話が入ったため、その時には別の場所を捜索していたのです。
別々に複数の目撃者がいるため、実際に「何か」が飛来して着陸した(あるいは落下した)ことは間違いありませんね。
何かの見間違えでは片付けられない
一行は、赤く光る物体と、3メートルもある怪物のようなものを目撃しています。他にも、金属が焼けたような異臭がしたという証言もしています。
異臭については、後で現場を確認しに行ったスチュワートも、「胸の悪くなるような金属の臭いがした」と報告しています。
見ただけではなく、異臭がしたというのは大事なポイントですね。何かを見間違えただけ、というだけでは片付けられなくなるからです。
では、目撃された赤く光る物体と、怪物のようなものは何だったのでしょうか?
次ページでは、フラットウッズ・モンスターの正体について考察してみます。