前世の記憶を語る勝五郎の転生事件。江戸時代にあった生まれ変わりの実話

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今から約200年前の江戸時代に、前世の記憶を語る少年がいました。これは「勝五郎の転生事件」と呼ばれて、現在も有名な話として伝わっています。

勝五郎は、前世に住んでいた場所や、家族の名前などを明確に覚えていました。そして、それらは間違いのない事実であったことが、当時において確認されています。このため、非常に信憑性の高い生まれ変わりの実話と言えます。

当ブログでは、以前にも、平安時代のお坊さんの過去世を持つ男性の事例を紹介しましたが、「生まれ変わりは本当にあるのか?」と興味を抱いている人は多いようです。

私たちは、「たった一度の人生さ!」と思って生きていますが、実際には過去にも幾転生もの人生を経験しているのでしょうか?

もしも生まれ変わりがあるならば、人間は死んだらお終いではない!ということになります。

当記事では、「勝五郎の転生事件」の内容をご紹介しながら、生まれ変わりの秘密について考えてみたいと思います。

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勝五郎の転生事件とは?

まずは江戸時代の有名な生まれ変わりの実例、「勝五郎の転生事件」についてご紹介します。

姉に前世の記憶を話す

前世を姉に語る勝五郎
絵:勝五郎 生まれ変わり物語より

江戸時代の中野村(現在の東京都八王子市東中野谷津入)に、小谷田勝五郎という少年がいました。

1822年(文政5年)、勝五郎が8歳くらいの時のことです。勝五郎は姉のふさ(15才)と遊んでいる時に、「姉さんはどこから、この家に生まれて来たの?」と、奇妙なことを言い始めました。

勝五郎は、誰でも前世の記憶を持っていると思っていたようですが、普通の人間は生まれる前のことなど知りません。

「おかしなことを聞くね。じゃあ、お前は知っているのかい?」と姉が聞くと、勝五郎は自分の前世の記憶を話し始めました。

すると姉は、「それならば、お父さんとお母さんにも話そう」と言い出しましたが、勝五郎はイヤだと言って泣き始めました。

姉には話してはみたもの、両親には信じてもらえずに叱られると思い、急に怖くなったようです。

勝五郎の前世の記憶

その後、結局は両親にも伝わってしまい、勝五郎は自分の前世の記憶を、両親と祖母に下記のように話しました。

  • 自分の前世の名前は藤蔵で、今住んでいる中野村から6キロほど離れた場所にある程久保村(現在の東京都日野市程久保)に住んでいた。
  • その時の父親の名前は久兵衛で、母親の名前はお志津。父親は自分が5才の時に亡くなった。その後には半四郎という男が来て、藤蔵を可愛がってくれた。
  • 勝五郎の前世である藤蔵は6才の時、疱瘡(ほうそう)にかかって死んでしまった。その3年後に、勝五郎として生まれ変わっている

勝五郎は、死んでから3年という早さで生まれ変わっているためか、前世で住んでいた場所や両親の名前も明確に覚えていたようです。

しかも、前世の自分の家は、かなり近い場所にあり、当時の家族もまだ生きています。

これは後に確認されて、実際に勝五郎の言った通りであったことから、勝五郎の生まれ変わりの信憑性を高めることになります。

勝五郎が死んだ直後の様子

勝五郎は前世の記憶だけでなく、以下のように、死んだ直後の様子まで覚えていました。

    息が絶えた時は苦しくなかったが、その後、しばらくは苦しかった。棺桶の中に押し込まれる時、俺は(肉体から)飛び出て棺桶の傍にいた。

    山へ葬りに行く時は、白い布で覆った甕(かめ)の上に乗って行った。穴を掘って甕を落とした時に、トンと音がした。その様子は音だけではなく、ちゃんと見えていた。

死んだ直後の勝五郎の様子
絵:勝五郎 生まれ変わり物語より

死んだばかりの時は、まだ肉体の感覚が残っているので、ちょっと苦しいようです。ただし、肉体から離れると、苦しみも消えるようです。

幽体になった自分が、肉体の自分の様子を見守っているという話は、臨死体験でもよく聞きますね。

あの世に旅立つ

勝五郎の幽体は一旦、家に戻って机の上に留まっていたようです。

すると、白髪を長く垂らして黒い服を着た見知らぬお爺さんがやって来て、「こっちへ来い」と言うので、勝五郎はついて行きました。

いつの間にか空を飛んで歩いており、そこは昼も夜もない世界で、いつも日暮れ時のようだったそうです。寒くも暑くもありません。勝五郎はきれいな草原にも出て、そこで遊びました。

ただ、いくら遠くに行っても、家で念仏を唱えると声と、親たちが何かを話している声が聞こえました。牡丹餅の供え物をあげてくれているのも分かったそうです。

供え物は食べられはしませんが、匂いがして甘く感じたそうです。

勝五郎は死んでから、あの世に旅立ったものの、しばらくは家の様子も分かっていたようです。

生まれ変わるまでの経緯

勝五郎は、母(やい)のお腹に宿るまでの生まれ変わりの経緯も、しっかりと覚えていました。

死んで最初に会った見知らぬお爺さんが、これから生まれ変わる勝五郎の家に連れて来て、次のように言ったのだそうです。

    もう死んでから三年経ったから、この家に生まれろ。

    お前の祖母になる人は気のいい婆様だから、安心してここに宿れ。

そう言い残して、お爺さんは行ってしまったそうです。

このため勝五郎は家に入ろうと思い、門のところに立ちました。すると、この家が貧乏で、母親になる女性が江戸へ奉公に出なければいけないという相談話が聞こえてきたそうです。

それを聞いた勝五郎は、「じゃあ、やっぱり入るのはやめておこう」と、三日間、家の庭にいました。そんな貧乏な家に生まれたら大変だと思ったのでしょう。

生まれ変わる家の台所事情を聞いて、一旦は迷ったというあたりがリアルですね。しかし、三日経つ間に、母の奉公の話はなくなったようです。

そこで勝五郎は、その夜に戸の節穴から入り、竈(かまど)の側にまた三日いて、それから母親のお腹に入りました。お腹の上にいたらお母さんが苦しいと思い、股のほうに寄って行ったことも、よく覚えているそうです。

勝五郎の生まれ変わりの場合、このように母のお腹に宿るまでの細かな経緯まで覚えていることが、大きな特徴です。

次ページでは、勝五郎の前世が証明された経緯について紹介します。

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