夢男 This Manの正体
夢男の都市伝説によると、「This Man」の正体は米軍の極秘超能力部隊が作った架空の人物であり、その目的は、人間の夢を操る実験であったと言われています。
しかし現在では、すでに夢男の真相は解明されています。
実験といえば確かに実験ではあったのですが、それは噂されていたような米軍の恐ろしい陰謀ではありませんでした。ある広告代理店が仕掛けたマーケティング手法の実験だったのです。
マーケティング手法の実験だった
『「新」怪奇現象41の真相』によると、「This Man」に出て来る精神科医や患者の話は、実はすべて作り話なのだそうです。
「やっぱりね、都市伝説なんてそんなものさ」という感じでしょうか? ただし、これは何のオチもない法螺話ではなく、具体的な詳細まで分かっています。
この話を作ったのはアンドレア・ナテッラという人物であり、イタリアの広告代理店「KOOK」の社長を務めています。
この会社はバイラル・マーケティングという手法を得意としており、ナテッラ氏はその専門家です。
バイラル・マーケティングとは、口コミ情報などによって連鎖的に広げていくマーケティング手法であり、成功すると爆発的な宣伝効果を生み出します。
要するに、夢男「This Man」の真相は、この手法によって、情報が世界規模に広がっていくことを実証するために仕掛けられた実験であったのです。
「This Man」の実験の結果
結果として、「This Man」の実験は大成功を収めました。「This Man」を広げるために作成されたホームページは、なんと20億アクセスを超えました。
▲「この人を夢で見たことはありませんか?」と情報提供を求めるチラシは、世界35カ国語に翻訳されています。写真は街に張り出された実際のチラシ(公式サイトより)。
▲公式サイトでは、「This Man」の日本語のチラシもダウンロードできます。
実際にあった『MKウルトラ計画』
「This Man」のマーケティング実験は、人間の夢を操るという米軍の陰謀説まで生み出しました。
都市伝説には、政府の陰謀がらみの話が多いですね。ただ、全く根も葉もないところから、このような陰謀説が生み出されているわけではないと思います。
例えば、アメリカ政府の諜報機関であるCIAは、『MKウルトラ計画』と呼ばれる、大掛かりな洗脳実験を実際に行っていたとされています。
これはアメリカおよびカナダの国民を実験対象にして、LSDなどの薬物を投与したり、催眠術をかけたり、電気ショックを与えたりして、マインドコントロールの効果を立証するための非人道的な実験でした。
その証拠となるCIA文書が存在していますが、多くの関連文書が、あろうことかCIA長官の命令で破棄されており、残念ながら実験の全貌は解明されていません。
このため、マインドコントロールによる暗殺者の育成など、誇張されて伝わっている部分もありますが、少なくとも1950年代初頭から1960年代末までは、MKウルトラ計画の実験は行われていたようです。
しかし、この実験での大きな成果は得られず、計画は中止されたと言われています(その一方では、現在も極秘裏に研究が継続されているとも噂されている)。
人間の夢を操作して、マインドコントロールする『This Man』の都市伝説は、私たちが聞くと突拍子もない話に聞こえます。
しかし、実際にこのような実験が、様々な手法を駆使して行われていたとしても、おかしくはありませんね。
なぜならば、古今東西の権力者たちにとって、人民をマインドコントロールする方法の開発は、永遠のテーマであるからです。
裏読みするならば、『This Man』の本当の真相は、マーケティング手法を装った洗脳実験であったのかもしれません。
千鳥の大悟さんも、夢男に見覚えがあった?
夢男「This Man」の都市伝説は、Amazonプライムビデオの『ドキュメンタル6』の2話でも、千鳥の大悟さんがネタで取り上げています。
実は、大悟さんも、この謎の男に見覚えがあると言うのです。それが次の写真です。
若い頃の志村けんさんです(笑) 意外なところで「This Man」が紹介されて、今回、私が当記事を書くきっかけにもなりました。
笑いのネタとして取り上げることも、都市伝説の正しい楽しみ方の一つなのだと思います。