カブレラ・ストーンが発見された経緯
カブレラ・ストーンには、人類と恐竜が共存している絵柄が描かれています。それ自体が有り得ないことなので、カブレラ・ストーンは現代人が作った偽物であると考えるのが普通でしょう。
実際にカブレラ・ストーンには、明らかに贋作や偽物と思われる石が数多く出回っていることも事実です。カブレラ・ストーンの人気にあやかり、お土産品として作っている人たちがいるのです。
しかし、本物のカブレラ・ストーンの存在を、強く信じている人たちもいます。嘘か本当か結論を急ぐ前に、カブレラ・ストーンが発見された経緯について改めてご紹介します。
カブレラ・ストーンが発見された経緯
1961年、南米ペルーのイカ川が集中豪雨で氾濫し、その際に地中から大量に発見されたのが、カブレラ・ストーンだと言われています。
カブレラ・ストーンの表面には、奇妙な絵柄が刻まれていました。このため現地のインディオたちは、さっそくカブレラ・ストーンを拾って売り始めました。
当初は、発見場所にちなんでイカ石(Ica stones)と呼ばれていました。イカの町で医師をしていたハヴィエル・カブレラ博士にも、いくつかのイカ石が持ち込まれました。
それ以降、カブレラ博士が熱心にイカ石を収集・研究したことから、これらの石はカブレラ・ストーン(Cabrera Stones)と呼ばれるようになりました。
そのカブレラ博士も、最初からカブレラ・ストーンの価値に気付いていたわけではありませんでした。
ある時、ペーパーウェイトに使っていた石に刻まれていた魚が、白亜紀に絶滅したはずの魚竜(下写真:カブレラ博士)であることに気付いたのです。
カブレラ・ストーンの発掘場所
カブレラ博士にカブレラ・ストーンを持ち込んだインディオの一人に、バシリオ・ウチュヤ氏という男がいました。
カブレラ博士は、「この石は、どこから運んで来たのか?」と、ウチュヤ氏に問いただしました。場所を聞かれて最初は拒んでいたウチュヤでしたが、その後は観念し、カブレラ博士を小高い丘の洞窟へと案内しました。
その洞窟は、古代人がカブレラ・ストーンの保管場所に使っていたらしく、無数の石が隠されていたのです。カブレラ博士は、これらの石は、間違いなく古代の貴重な遺物であると確信します。
カブレラ博士は、ペルー政府に洞窟の調査を申し入れました。軍隊を投入し、洞窟を長期間、封鎖して調査することも提言しました。盗掘によって、カブレラ・ストーンが持ち出されてしまうことを恐れたのです。
しかし、ペルー政府からは良い返事を貰えませんでした。このため、カブレラ博士はカブレラ・ストーンを盗掘から守るため、洞窟の場所を生涯、秘密にすることを決心しました。
カブレラ・ストーンは本物のオーパーツか?
残念ながら、現在はカブレラ博士とウチュヤ氏が亡くなっているため、カブレラ・ストーンが発掘された洞窟の場所は不明になっています。
カブレラ・ストーンが本物のオーパーツであるのかどうかについては、発掘場所が分からないため、第三者による客観的な調査ができません。
この点が、カブレラ・ストーンの信憑性が疑われている最大の理由になっているのですが、現在、カブレラ・ストーンの真偽はどのように考えられているのでしょうか?
カブレラ・ストーンは、いつ頃に作られたか?
カブレラ・ストーンは、過去に年代鑑定が行われています。
1967年、ペルーのマウリシオ・ホッホシルト社が年代鑑定を行った結果によると、カブレラ・ストーンは12,000年前以上も前に作られたとされています。
また、2004年に国立ペルー文化研究所のカルロス・カノ氏が行った年代鑑定でも、カブレラ・ストーンの絵は非常に古い時代に彫られたものという結果が出されています。
但し、この年代測定には懐疑的な意見もあります。なぜならば、無機物の石は、発見場所の地層や同時に発掘された有機物を調べなければ、正確な年代鑑定が困難であるためです。
前述したように、現在ではカブレラ・ストーンの発掘場所を知る者がいないため、地層などは調べようがないのですね。
このため、『謎解き古代文明 ASIOS』では、カブレラ・ストーンの年代鑑定は信用できるものではないとしています。
発見者が偽造であると告白?
カブレラ・ストーンには、発掘場所が不明となっている点に加えて、「なーんだ、やはり偽物だったのか」と言われてしまう難点があります。
それは発見者であるバシリオ・ウチュヤ氏自身が、カブレラ・ストーンは偽物であると告白している点です。
これを聞いたら、もう誰もカブレラ・ストーンを本物だとは信じませんね? でも実は、『ムー 2018年7月号』によると、これには裏があるのだそうです。
当時のウチュヤ氏には、遺跡を盗掘して出土品を売っているという噂が立っており、警察にも取り調べられる事態に追い込まれていました。
それを聞いたカブレラ博士は、「では、自分で石を彫ったことにしてはどうか?」と、ウチュヤ氏にアドバイスをしたのだそうです。
要するに、ウチュヤ氏は警察の目を誤魔化すために、カブレラ・ストーンは自分が彫った偽物であると、あえて告白したわけです。
それ以降、ウチュヤ氏は公の場では、カブレラ・ストーンは自分と妻が彫った偽物であると言っているのだそうです。
もしもこれが事実であるならば、偽物であるという告白のほうが嘘であったことになります。
多くの偽物があることも事実
カブレラ・ストーンは、カブレラ博士が収集した石だけでも、1万点以上にも及ぶそうです。その中には、少なくない割合で偽物が紛れていることを、カブレラ博士も承知しています。
偽物でも買ってくれる人たちがいるので、偽物を作る人たちがいるのです。
このため、偽物のカブレラ・ストーンが見つかったからと言って、全てが偽物だという証明にはなりません。偽物が含まれていることは、最初から承知の上なのです。
では、本物のカブレラ・ストーンが存在することを証明するためには、どうすれば良いのでしょうか?
やはり発掘現場である洞窟の場所が判明しないと、判定のしようがないようです。
但し、カブレラ・ストーンは、「1961年に南米ペルーのイカ川が集中豪雨で氾濫し、その際に地中から大量に発見された」とされているのですから、およその場所は特定できるのではないでしょうか?
今後、新たにカブレラ・ストーンが発掘されることに期待したいですね。
進化論と創造論
カブレラ・ストーンに描かれている「人類と恐竜の共存」という有り得ない絵柄を、どのように理解すれば良いでしょうか?
人類の起源を、猿人から始めるとしても、それは500~600万年前になります。恐竜が絶滅したのは6,500万年前です。人類と恐竜は、実に6千万年もの時間で隔てられています。
もし、この両者が同じ時代に共存していたとなると、進化論ではなく、『創造論』のほうが正しい可能性が出てくるのです。
創造論とは、「創造主なる神」によって天地万物の全てが創造されたとする考え方です。これによると、人類と恐竜は共存していた時代があり、ノアの方舟の大洪水で、恐竜は滅んだことになっています。
ちょっと現代人には受け入れがたい考え方ですが、カブレラ・ストーンが創造論を証明することになるのでしょうか?
実は、カブレラ・ストーン以外にも、人類と恐竜が共存していたとしか思えないようなオーパーツは、他にも発見されています。
恐竜と人類の足跡
(写真:『ヴィジュアル版 超古代オーパーツ図鑑』より)
こちらは1982年3月、米国テキサス州パラクシー川河床に発見された、「恐竜の足跡」と「裸足の人間の足跡」です。
中生代の白亜紀(約1億4,000万年~6,500万年前)に形成された化石になります。その後も発掘は進み、現在確認されている人間の足跡は80以上もあります。
こちらはカブレラ・ストーンのような創作ではなく、実際に残されている化石です。これを見ると、「やはり恐竜と人類は共存していたのか?」と思えてきますね。
ちなみに、これを否定するために、何人もの科学者が意気込んで現地に乗り込んでいますが、「これは人類の足跡ではない!」と断言できた科学者は、まだ一人もいません。
進化論はすべて正しいか?
他にも、恐竜と人類が共存していた事実を伝えているとしか思えない土偶や、壁画、絵画、遺跡のレリーフなどが、世界中で発見されています。
仮に、カブレラ・ストーンが偽物であったとしても、これら全てのオーパーツを完全に否定できる人は、誰もいないのではないでしょうか?
現代人の常識では、恐竜と人類の共存など有り得ないことですが、その常識は人から教わったものに過ぎません。そのように学校で教わっただけ、かもしれないのです。
人間は猿から進化したという、進化論のすべてが正しいとは限りません。創造論の中にも、一片の真実が含まれていても不思議ではないのだと思います。