エベン・アレグザンダー医師の実績
エベン・アレグザンダー医師の考えを変えてしまった臨死体験を紹介する前に、彼のプロフィールも簡単に紹介しておきます。
アレグザンダー医師は1953年に誕生し、1980年に医学・科学の名門デューク大学で医学の学位を取得しています。
卒業後には、アメリカやイギリスの大学病院の臨床医として、数々の脳外科手術を行った実績を持ちます。
また、その後は、世界でもトップクラスのハーバード・メディカル・スクールの脳神経外科に在籍し、200本以上の論文も執筆しています。
実はアレグザンダー医師の父も脳神経外科医であり、アレグザンダー医師は子どもの頃、友だちから幽霊の話を聞いても、「幽霊なんて脳の錯覚に決まってるじゃん！」と言っていたそうです。
子どもの頃から、科学で証明できるものだけを受け入れて、そうでないものは信じないという人間だったのです。
脳神経外科の世界的権威であり、科学で証明できるものしか受け入れなかった人物が、どうして臨死体験や死後の世界を肯定するようになったのでしょうか？
以下、アレグザンダー医師の臨死体験をご紹介します。
臨死体験で死後の世界を確信する
アレグザンダー医師が死後の世界を信じるようになったきっかけは、自らが臨死体験をしたことによります。
2008年11月10日、アレグザンダー医師が54歳の時です。就寝中、背中の鋭い痛みで目覚めます。その痛みは増す一方で、激しい頭痛にも襲われました。
二時間後、妻のホリーが夫の異変に気付いた時には、アレグザンダー医師は昏睡状態に陥っていました。そこからの記憶は、完全に途絶えていました。
細菌性髄膜炎で昏睡状態になる
アレグザンダー医師は、以前の勤務先であった総合病院に緊急搬送されます。
そこで診断された結果は、細菌性髄膜炎でした。これは脳や脊髄を保護している髄膜に細菌が感染し、脳を直接に攻撃する恐ろしい病気です。
アレグザンダー医師の場合には、もっとも悪性の強い大腸菌が感染していました。
これは成人では1,000万人に一人以下という、極めて希なケースでした。発症すると、致死率は90％と言われています。たとえ覚醒しても、重度の障害が残る可能性が高いのです。
無傷で生還した例は、今までに一度もないという厳しいものでした。
アレグザンダー医師の容態を聞いて、親族や友人たちが次々に病室を訪れました。みんなはアレグザンダー医師の手を握り、無事に生還できることを懸命に神に祈りました。
死の宣告を受ける
アレグザンダー医師は、搬送されてから6日が経っても意識が戻りませんでした。この絶望的な状態を見て、担当医師は以下の決断を下します。
これから12時間以内に回復が見られない場合には、抗生剤投与を打ち切るというものです。これはもう回復する見込みがないという判断であり、すわなち死の宣告と同じです。
病室にはアレグザンダー医師の最期を見届けようと、家族や友人が集っていました。
しかし、後になって判明することですが、アレグザンダー医師はこのとき、科学では説明のつかない不思議な臨死体験をしていたのです。
そして昏睡状態になってから7日目の2008年11月16日、奇跡が起きます。
担当医師から告げられたタイムリミットの12時間が訪れようとした時、長い昏睡状態からアレグザンダー医師は目覚めたのです。
しかもアレグザンダー医師は、全く後遺症を残さないまま、奇跡の生還を果たしました。これは世界でも初めてのケースであり、医学的な理解を超えた奇跡でした。
祈ってくれてありがとう
アレグザンダー医師は昏睡状態から目覚めると、病室にいた人たちに、「祈ってくれてありがとう」と小さな声でつぶやきました。
勘の良い人は分かると思いますが、実は、この言葉自体が臨死体験の不思議です。アレグザンダー医師は、医学的には全く意識のない状態にあったはずなのです。
それなのに、みんなが自分のために祈ってくれていたことを、なぜ認識できていたのでしょうか？
後述しますが、これは大事なポイントになりますので、覚えておいてください。
無事に生還できたことは信じられない奇跡ですが、しかし、それだけではありませんでした。
アレグザンダー医師の臨死体験には、神仕組みとしか思えないような感動的な奇跡が起きていたのです。
臨死体験が脳の錯覚ではない証明
アレグザンダー医師は、2008年11月25日に退院しました。つい10日前までは、死の宣告を受けたも同然であったのに信じられない回復です。
その後、アレグザンダー医師は自分の医学知識を総動員して、昏睡状態にあった7日間の自分の脳のデータを徹底的に調べてみました。どうしても確かめたいことがあったのです。
CTスキャンの画像等を調べてみた結果、自分が昏睡状態にあった時、脳の大部分は機能を停止していたことが分かりました。
要するに、脳はスイッチを切ったテレビのような状態になっていたのです。それは、あらゆるデータが医学的に証明していました。
この状態では、脳は思考することも、夢を見ることもできないはずなのです。
上の画像は、当時のCTスキャン画像です。
昏睡状態にあったアレグザンダー医師の大脳皮質（知覚、随意運動、思考、推理、記憶など、脳の高次機能を司る）は、正常な脳の状態と比べて大きく膨れ上がっているのが分かります。
この状態では夢や幻覚を見ることすら、不可能な状態にあります。
脳幹による幻覚の可能性は？
大脳皮質が機能停止状態にあると、幻覚すら見ることができないと書きました。医学的には、臨死体験はもちろん、一切の記憶がない状態でなければならないのです。
しかし、実はこれに対する反論も出ています。たとえ大脳皮質が機能停止していた場合でも、脳幹が幻覚を起こすというケースです。
脳幹とは、呼吸や体温調整など生物としての原始的な機能を司っている場所です。
これに対して、アレグザンダー医師は、「脳幹では、あのような体験はできません」と、きっぱり否定しています。
その理由は、アレグザンダー医師の臨死体験は、視覚的にも聴覚的にも鮮明なものであったからです。脳幹では、複雑な幻覚を作り出すことは不可能なのです。
脳幹では、美しい天国のような世界を見たり、死んだ家族と話すような幻覚は起きません。
脳神経外科の世界的権威である医師自身が、そのように述べているのすから、傾聴に値するのではないでしょうか？
自分が見たものは、死後の世界に間違いない
アレグザンダー医師は、自分の患者がよく語っていた臨死体験を思い返しました。
「まばゆい光が見えて、それに包まれると、死んだ父親がいたんです」と、患者は語っていました。当時のアレグザンダー医師は、患者が幻覚を見たくらいにしか考えていませんでした。
しかし、脳の機能が停止していた自分が、脳の錯覚による幻覚を見たとは考えられません。現代医学の常識では、有り得ないのです。
アレグザンダー医師は、脳神経外科医として、あらゆる可能性を検証した結果、次のように結論を出さざるを得ませんでした。
昏睡状態にあった7日間、自分が見たものは、死後の世界に間違いないと。
患者の臨死体験をさんざん否定してきたのに、自分も経験したことによって、臨死体験は脳の錯覚や幻覚ではなく、死後の世界を見ているのだと確信したのです。
次ページでは、アレグザンダー医師の臨死体験を、具体的に紹介します。
