アレグザンダー医師の臨死体験
アレグザンダー医師は覚醒した後、自分の臨死体験を正確に記録し、ノートに書き残しています。以下、その内容を具体的にご紹介します。
臨死体験の記録
アレグザンダー医師が臨死体験した世界は、闇でありながら、視界が利く不思議な世界でした。
まるで子宮の中にいるように思えたそうです。周囲には血管のようなものが浮かび上がっていました。遠くからは、深い音と振動が響いてきます。
得体の知れないグロテスクな生物が、自分に吠え立てている恐ろしい光景も見えました。
どうやらアレグザンダー医師が最初に見た世界は、地獄に近い世界のようです。死後の世界は、天国だけではなく、昔から言われている地獄もあるのです。
昏睡状態に陥っている苦しい感覚や、普段から死後の世界を否定していた唯物的な思想が、地獄の波動に近かったために、一旦、このような世界に行ったものと思われます。
美しい光が現れる
アレグザンダー医師が「やめろ!」と恐怖に怯えていると、上方の暗がりから美しい光が射してきました。
しばらくすると周囲の闇は崩壊し、美しい旋律が聞こえてきました。アレグザンダー医師は、光の中心に体ごと呑み込まれていきました。
すると、さっきまでの闇の世界とは打って変わって、美しい世界が眼下に広がっています。アレグザンダー医師は、空中を飛ぶようにして浮遊していたのです。
「なんて気持ちがいいんだ!」と、アレグザンダー医師は感じました。
隣に美しい女性がいた
ふと気付くと、隣には美しい女性がいました。臨死体験では、亡くなった家族と再会する話がよくあります。
しかし、アレグザンダー医師が見た女性は、初めて見る人でした。彼女は、次のように語りかけてきました。
だから、お帰り頂いた方がいいでしょう。
女性はアレグザンダー医師を見て、優しく微笑んでいます。「この女性は誰だろう?」と不思議に思いましたが、それは後で知ることになるのです。
病室で祈る妻たち5人の姿
その後もアレグザンダー医師は、その女性とともに飛び続け、大きな雲に到着しました。
そこには幾つもの輝く光の玉が、弧を描きながら飛んでいます。上空からは、聖歌のような大音響が聞こえています。
さらに先に進むと、暗闇でありながら、とても安心のできる世界がありました。
アレグザンダー医師は、このような世界を行ったり来たりしながら過ごしましたが、もうこれ以上は先に進めないことを悟ると、体が降下し始めました。
そしてこの時、病室で祈っている妻たち5人の姿を見たのです。
「帰らねば!」と思い、アレグザンダー医師は不思議な臨死体験を経て、長い昏睡状態から蘇生することになりました。
脳の再起動現象か?
アレグザンダー医師の臨死体験は、とても脳の錯覚とは思えないような具体的な世界を体験しています。
脳の機能は停止していたのですから、これは大脳皮質や脳幹が作り出した幻覚でありません。
それでも、まだ異論を唱える人はいます。他の可能性として、「脳の再起動現象ではないか?」という懐疑的な見解も出ています。
脳の再起動現象とは、脳が覚醒する直前に見る夢のようなものです。脳は意識が戻る直前に、古い記憶を支離滅裂に放出することがあります。
それがアレグザンダー医師の臨死体験の正体だという見解です。
アレグザンダー医師も脳神経外科医ですから、当然、脳の再起動現象の可能性も検証しています。しかし、それでは明らかに説明のつかない出来事があったのです。
医学では説明のつかない体験
前のページで、「みんなが自分のために祈ってくれていたことを、なぜ認識できていたのか?」と書いて、これも大事なポイントであると述べました。覚えているでしょうか?
アレグザンダー医師は臨死体験中に、病室にいる5人の姿を見ていた記憶が残っているのです。それは妻、次男、妻の友人、妻の妹、スコット医師です。
この5人が揃って病室にいたのは、昏睡状態の6日目です。
この時のアレグザンダー医師は、完全な昏睡状態にありました。脳は機能停止の状態に陥り、視覚も聴覚も働いていないことを担当医師が確認しています。
要するに、病室にいる5人の姿を見ていたアレグザンダー医師は、この5人の姿を認識し、記憶することはできないはずなのです。
意識が戻っていないのですから、脳の再起動現象が起きる状況にはありません。
結論を言えば、アレグザンダー医師の臨死体験は、脳の再起動現象ではなく、大脳皮質や脳幹が作り出した幻覚でもないことになります。
医学では説明のつかない臨死体験であるとしか、言いようがありません。しかし、まだ続きがあります。
次ページでは、アレグザンダー医師の臨死体験の中で明かされた感動の事実を紹介します。