ジョー・シモントン事件の真相は?
ジョー・シモントン事件は、ある日突然、家の敷地にUFOが降りて来て、水を汲んで渡したお礼に、宇宙人からクッキーを貰ったという前代未聞の宇宙人遭遇事件でした。
普通の人間ならば、宇宙人を見た途端に怖くなって逃げ出すのでないでしょうか? しかし、シモントン氏は非常に落ち着いて対応しています。UFOの大きさや形、宇宙人の姿と服装も、冷静によく観察しています。
また、宇宙人がこんなにも堂々と地球人に姿を見せて、無防備に接触してくるというのも珍しいケースです。水を切らしてしまったので、「ちょっとそこの家で貰おうか」というような気軽な感じで、地上に降りて来ています。
そして特筆されるのは、宇宙人に遭遇した物的証拠(クッキー)まで残されている点です。
まるでSF映画のように、ちょっと出来すぎた話に聞こえてしまう点も否めませんが、ジョー・シモントン事件の真相はどうなっているのでしょうか?
宇宙人に貰ったクッキー
宇宙人から貰ったとされるクッキーを手に持って、しげしげと眺めているジョー・シモントン氏本人です。この写真はUFO事件の本によく掲載されているので、見たことがある人も多いと思います。
クッキーは、直径10センチ弱、厚みは3ミリ程度の楕円の形をしていました。焦げ目が付いているように見えるのがリアルですね。日本人の感覚では、薄いおせんべいのようにも見えます。
シモント氏が試しに食べてみたところ、ボール紙のような味がしたそうです。味は、不味かったようですね…。
宇宙人に貰ったクッキーの成分は?
▲保管されている宇宙人から貰ったクッキー
いちばん気になるのは、「宇宙人から貰ったクッキーは何だったのか?」という点でしょう。これがジョー・シモントン事件の真相を握る鍵になりますね。
実は、宇宙人から貰ったクッキーは、民間のUFO研究団体(NICAP)と米空軍にも一枚ずつ渡されており、成分の分析が行われています。
『政府ファイルUFO全事件』の書籍によると、結果としては、本来ならば含まれているはずの塩分が著しく少ないものの、地球上の成分で出来たクッキーであったそうです。
具体的には、アメリカ保健・教育・厚生省の食物薬物研究所の分析では、硬化油のショートニングと澱粉、小麦のふすま(表皮部分)、大豆のふすま、蕎麦殻が検出されています。
もしも地球に存在しない成分が検出されたら、決定的な証拠になったのですが、その点は残念でした。宇宙人も、食糧は地球で調達したほうが合理的なのでしょう。
ただ、「塩分が著しく少ない」という点は気がかりですね。なぜなのでしょうか?
UFO研究者のジャック・ヴァレー氏の見解
UFO研究者のジャック・ヴァレー氏は、このジョー・シモントン事件について、「ケーキと水が交換されて、妖精は塩を嫌う」というのは、西洋の妖精伝説の象徴的な行為だと指摘しています。
だから作り話だと言うのではなくて、ヴァレー氏は「昔は妖精だと考えられていた存在の中には、宇宙人もいたのではないか?」と考えました。
古い時代には、地球に異星人が飛来しているという発想はしなかったので、伝説にある妖精とは宇宙人のことかもしれないのです。
現代で言われるビッグフットやチュパカブラなどのUMAも、エイリアン・アニマル(異星人が連れて来たペットや、実験的に連れてきた地球外の動物)とする説があるので、その可能性は充分にあるのだと思います。
私たちが犬を散歩させるように、時々、宇宙人たちもエイリアン・アニマルを地上に放しているわけです。しかし、その後はUFOで移動してしまうので、いつまで経ってもビッグフットなどの遺体は見つからないのです。
幻覚という指摘もあるが…
懐疑的な見解としては、シモントン氏が嘘を吐いているわけではないが、白昼夢などの幻覚を見たのだという指摘もあります。
米空軍は、ロバート・フレンドン少佐と、J・アレン・ハイネック博士を、この事件の調査に派遣しました。米空軍の最終的な結論としては、シモントン氏が朝食のクッキー(パンケーキ)を食べているうちに、白昼夢を見て、現実との区別が付かなくなったのだとしています。
この事件に限らず、怪奇現象の解明には、脳の錯覚や幻覚がよく持ち出されます。しかし、それとて幻覚を見ていたという証明ができるわけではないのです。
ジョー・シモントン事件のケースでは、自分が食べていた朝食のクッキーを、宇宙人から貰ったものだと勘違いしてしまったことになりますが、通常、そんな勘違いはしませんね?
しかも、それは塩分が著しく少ないクッキーなのです。そんな珍しいクッキーを、その当日だけ食べていたとは考えにくいですね。
もしも、そんな特別なクッキーを毎朝常食していたのならば、それを宇宙人から貰ったなどと勘違いはしないはずです。
また、シモントン氏と長い付き合いのある現地のシュローダー保安官は、「シモントン氏は、自分の体験が真実であったことを疑いなく確信している」と述べています。
米空軍が結論付けた「幻覚説」を正当化するためには、言葉は悪いですが、シモントン氏は自分のクッキーかどうかも判断ができない少し頭の弱い人物に仕立てないといけないようです。
嘘を吐いている可能性はあるか?
そうなると、あらかじめ原料の塩を減らすという小細工までして、「宇宙人からクッキーを貰ったよ!」などと嘘を吐いた可能性も浮上してきます。
ただ、それも状況的に成立しないと思います。田舎町に暮らす60歳の配管工が、そんな嘘を吐いたところで、利益になることは一つもありません。
実際に、シモントン氏は後日、人々やマスコミから嘲笑されることになり、自分の体験を話したことを悔やんでいたそうです。
今のところ、ジョー・シモントン事件の真相については、少なくも、シモントン氏の嘘や作り話であったという証拠は出てきていません。
宇宙人からクッキーを貰うという、にわかには信じられない事件ですが、信憑性の高い宇宙人遭遇事件の一つではないでしょうか?
▲事件について証言するジョー・シモントン氏の動画
1961年に起きたジョー・シモントン事件は、今から半世紀以上も前の宇宙人遭遇事件ですが、メディアから取材を受けている本人のインタビュー映像が残されています。
シモントン氏は、飾り気のない実直そうな人物で、嘘を吐いているようには見えませんが、あなたはどのように思われるでしょうか?
米空軍が調査するも、事件の真相は未だに不明
前述したように、ジョー・シモントン事件は米空軍が調査しています。米政府は、UFO調査プロジェクト・ブルーブックなどを起ち上げ、数多くのUFO事件を調査していた時期があったのです。
ブルーブックの資料の中にあった写真。これがUFOが着陸したというシモントンの家の庭(畑)なのか……ハイネック博士が現地調査した時の写真なンだろうか? pic.twitter.com/NtpBIGj69k
— 小山田浩史 (@magonia00) 2013年4月15日
「調査」となってはいますが、プロジェクト・ブルーブックの本当の目的は、UFOや宇宙人なんて地球に来ていないことを結論づけることにあったとも言われています。関係者の証言からも、実際にそうだったのだと思います。
そう考えると、米空軍が主導して調査したクッキーの成分も、本当のデータを報告しているのか、ちょっと怪しい感じはしますね。
ジョー・シモントン事件の真相は、未だに不明としか言いようがありません。すでにシモントン氏は存命ではないと思いますが、ぜひ、再調査をしてほしいものです。現代の最新機器でクッキーを分析すれば、新たな事実が発見されるかもしれません。
参考)政府ファイルUFO全事件、謎解き超常現象 II
、完全版 世界のUFO現象FILE
宇宙人と遭遇した人の中には、世界的な超有名人もいます。「ジョン・レノンは宇宙人から金の玉子を貰っていた」という事件も併せてお読みください!
