過去に撮影されたネッシーの有名な写真と映像
過去の有名なネッシーの写真から現在まで、今までに撮影されたネッシーの写真と映像をご紹介します。
ネス湖で初めて撮影されたネッシー
こちらはネス湖で初めてネッシーが撮影されたとされる写真です。1933年3月、ネス湖の近くでホテルを経営していたドナルディナ・マッケイ夫妻が撮影しています。
ネス湖に開通したばかりの湖岸道路を歩いているとき、湖に黒い物体を発見して撮影したそうです。
懐疑的な見方をすれば、マッケイ夫妻はホテルを経営しているので、観光客を呼び込むためにネッシーの捏造写真を撮ったのではないか?とも考えられるでしょう。しかし実際には、ネッシーを撮影した60年後の1993年になって、ようやく写真が公開されています。
なぜ長い間、ネッシーの写真を隠していたのかは不明ですが、当時は現在のようにネッシーで観光客が集まる時代ではありません。嘘だと思われるのが嫌で、世間体を気にしたのではないでしょうか?
戦前の古いモノクロ写真ではありますが、初めて撮影された写真に、こんなに明確なネッシーの姿が写っていたとするならば驚きですね。
湖岸道路が開通した年に撮影されたネッシーの写真
全体がぼやけていますが、こちらもネッシー騒動の初期に撮影されたネッシー写真として有名です。
1933年11月、ヒュー・グレイ氏が噂になっているネッシー騒動に駆られ、カメラを持ってネス湖の畔を歩いていると幸運にも撮影できたそうです。
湖岸道路が開通した当時は、まだネッシーも人間への警戒心が薄くて、今よりも頻繁に姿を現していたのでしょうか?
グレイ氏は、ネッシーは丸みを帯びた背中をしており、全身は約12mほどあったと述べています。
外科医の写真のネッシーは捏造だった!
こちらは、誰もが一度は見たことがある有名なネッシーの写真です。外科医のロバート・ケネス・ウィルソン氏が撮影し、「外科医の写真」とも呼ばれています。
社会的な信頼の高い外科医が撮影したということと(実際には産婦人科医だった)、首長竜のように首をひょっこりと水面から出したインパクの強い構図から、世界的に有名になりました。
しかし、1934年に撮影されてから60年後の1994年に、撮影した人物の関係者の告白によって、捏造写真であったことが判明しています。
ネッシーの写真は、潜水艦のオモチャに、首長竜に似せた首をつけたものを浮かべて撮影したものでした。確かに、波と比較してみると、ネッシーが余りにも小さいことが分かります。
有名な写真が捏造であったという衝撃は大きく、それ以降、ネッシーの存在そのものも疑わしく思われるようになりました。
しかし、事実としては、数あるネッシーの目撃証言や写真の中で、そのうちの一枚の写真が捏造であったことが判明したに過ぎないのです。
3つのコブがあるネッシー
こちらは1951年、ラクラン・スチュアー氏が撮影したネッシーの写真です。3つのコブが並んでいるのが特徴で、冒頭で紹介した写真と似ています。
こちらもサーペント(大蛇)タイプの生き物ではないか?とも言われています。
しかし、その一方で、実は撮影場所は浅い場所であり、防水シートで覆われた3つの干し草の俵という情報もあります。
1999年に亡くなった地元の著述家リチャード・フレール氏は、ラクラン・スチュアート氏が偽造写真を撮影するために現場で作業している様子を目撃していたという、かなり具体的な証言もあるようです。
誰かの証言や告白があっても、そちらのほうが人を陥れるための偽証であったり、何者かが真実を隠蔽しようとしている可能性もあるのですが、この写真の場合は、やはり「3つの干し草の俵」なのでしょうか?
1960年に撮影されたネッシーの映像
こちらはディンスデール・フィルム(1960年4月23日撮影)と呼ばれる古いネッシーの映像です。不鮮明ですが、ネッシーらしき巨大生物が泳いでいる姿が確認できます。
船という見解もあるのですが、どうでしょうか? 仮に、先頭に見えているのが船で、胴体の部分が航跡だとすると、ちょっと不自然なバランスに見えます。航跡の波が大きすぎるのですね。
そもそも、船かどうかの識別くらいは、撮影時に肉眼で分かったのではないでしょうか?
至近距離で撮影されたネッシーの写真
こちらは1960年5月27日早朝、博物学者のピーター・オコンナー博士が至近距離で撮影したネッシーの写真です。個人的には注目している写真です。
オコンナー博士は、ショットガン、銛、水中ライフルと爆弾で武装した数人の男性たちと一緒に、決死の覚悟でネッシーの捕獲まで試みたそうなので、偶然に捉えた写真ではありません。
博士はトイレに行く途中、キャンプから百メートルを歩いた地点のSlipping Rapidly岬上で、ネッシーの存在に気付きました。
念のためにカメラだけは持っていたので、水が腰に到達する距離まで近寄って撮影したそうです。
ネッシーは一般的にイメージされている首長竜タイプの生き物ではなく、今までの目撃証言からしても、巨大な亀やカタツムリのような姿に近い生き物かもしれないと考えています。
この写真も甲羅のような胴体から、細長い首が伸びていますね。もしもトイレに行くときに博士が武器も持っ行ったならば、ひょっとするとネッシーを捕獲することができたのでしょうか?
ネッシーの捕獲を試みて撮影したというストーリーには怪しさも臭いますが、写真には妙に生々しい生命感があるので、本物であってほしいと願う一枚です。
ボストン科学アカデミーが撮影したネッシーの全身写真
こちらは1972年(写真上)と1975年(写真下)に、ロバート・ラインズ博士のボストン応用科学アカデミー研究チームが撮影したネッシーの水中写真です。
1972年の写真は、ネッシーのヒレを捉えたものとされています。少し分かりづらいですが、写真の左側が胴体で、右側に写っているのは胸ヒレの一枚ではないかと思われます。
その後、1975年の撮影では、長い首を持ったネッシーの全身が写されています。世界中の注目を集めた一枚です。
マサチューセッツ工科大学の海洋工学部の専門家たちは、この写真を分析して、約6mの生き物と推測しています。
ネス湖は水質が濁っているために水中での撮影は難しいのですが、ソナー(音波探知機)とストロボスコープ式の水中カメラで撮影されているため、このような写真の撮影が可能になっています。
後述しますが、この写真のネッシーの姿は、2億8千年前の古代に絶滅した「タモンストラム・グレガリウム(トゥリモンストゥルム)」に似ていると言われています。
1970年代に撮影された疑惑のネッシー
こちらは1970年代に、フランク・サ―ル氏が撮影した写真です。いかにもネッシー!という写真ですが、それだけに捏造説も強いようです。
口の開き方が、いかにもオモチャのようにパカッと開いていて、体のバランスも悪い感じがしますね。フランク・サ―ル氏は、他にも複数の写真を撮影しています。もしも本物ならば、貴重な写真なのですが…。
観光船の運転手が撮影したネッシーの写真
こちらは2010年、地元の観光船の運転手ジョージ・エドワードさんが撮影した写真です。
背景には、アーカート城(Urquhart Castle)が写っています。ネス湖でも、この辺りはよくネッシーが出現すると言われている場所になります。
専門家が写真を調べてみた結果、正体は分かりませんでしたが、「巨大な生物であることに間違いない」という結論に至っています。
ネス湖の巨大生物と言えばネッシーですから、「これはネッシーである」と言っているも同然ではないでしょうか?
写真を拡大して見ると、水面に顔を出したネッシーの頭部、もしくは背中のコブのように見えます。
英テレビ局が報道した白いネッシー
こちらは2010年11月30日、イギリスのテレビ局STV(スコティッシュ・テレビジョン)の番組で報道されたネッシーです。
造園設計家のリチャード・プレストン氏が、ネス湖の北東岸にあるアルドゥリー城(Aldourie Castle)で仕事をしていた時、奇妙な物体が湖に浮かんでいるのを発見し、すぐさまシャッターを切ったのだそうです。
その時、湖には波もボートもなく、しばらくしてその物体は湖に消えたと証言しています。それが本当ならば、ボートなどの物体ではなく、ネッシーのような巨大モンスターの可能性が期待できる一枚です。
今までの写真とは異なり、白いコブのようなものが3つ並んでいます。白色(アルビノ)のネッシーがいるのか、それとも別種なのか興味深いですね。
背景の家屋と比べると、全長はかなり大きいのではないでしょうか?
アップル社の地図アプリに、巨大生物の姿が!
こちらはアップル社の地図アプリで、ネス湖に写っていた巨大生物と思われる写真です。2014年4月に報道されて話題になりました。
しかし衛星写真では、船などの動く物体が写真から消えてしまう場合が多々あるらしく、正体は船の航跡だとも言われています。
写真だけを見ると、やはり巨大魚のように見えるので、航跡だと言われてもスッキリしませんね。
水中ソナーが10mのネッシーを捉えた?
こちらは英国の『Daily Mail Online』の2012年4月20日に掲載されたネッシーのソナー画像です。
マーカス・アトキンス氏がボートを操船中にソナーで発見しました。場所はネス湖のアーカート城の近辺になります。
水深23mの場所に、長さ10m以上、幅が1.5mの動く物体が、2分間見えていたそうです。もしもそのような生き物が写っていたとすれば、ネッシー以外には考えられませんね。
動物性プランクトンの集合体や水草ではないかとの異論の声もありますが、視界3m程度しかない濁ったネス湖の水質を考えると、水深23mの水域には太陽光が届いていないと思います。
そこに10m以上もの長さに及ぶプランクトンの集合体や、水草の群生が存在しているというのは、ちょっと考えにくいのではないでしょうか?
「動く物体が、2分間見えていた」ということは、その後に移動したということですから、少なくとも水草ではありませんね。
水中ソナーがネッシーを捉えていた可能性は、十分にあるのではないでしょうか?
ネス湖の水深180mに首の長い物体?
ノルウェーの海洋調査会社「コングスベルグ海上」の無人探査機が、ネス湖の水深180mに首の長い物体をソナーで捉えて話題になりました。
画像を見ると、自然の造形物にしては不自然な姿をしており、ネッシーの期待が否応にも高まります。
しかし、スコットランド政府観光庁は「ネッシーのような形だが、怪物の死骸ではない。沈んだ模型と思われる」と声明を出しました。
実は、ビリー・ワイルダー監督の1970年の映画「シャーロック・ホームズの冒険」の撮影に使われたネッシーの模型であったようです。
監督の指示により、模型の背中のコブを取り除いたところ、そこから水が浸入してしまい、撮影場所に向かう途中に沈没してしまったそうです。
それがソナーに写っていたネッシーらしき物体の正体でした。期待させておいて、がっかりではありますが、こうして一つ謎が解明されたのは良いことだと思います。
▲「シャーロック・ホームズの冒険」の撮影に使われたネッシーの模型
ネッシーの登場シーンはその後、新しく製作した首だけを用いて、スタジオの仮設プールで撮影したとのことです
ちなみに、ネス湖の湖底には他にも、第2次大戦時に墜落した爆撃機、100年前の釣り船、競艇用ボートなどの残骸も見つかっているそうです。
ネッシーを捉えた最新動画?
こちらは2014年11月9日に公開された動画です。湖面にネッシーの首らしきものが出ているのが確認できます。
動画を撮影したリチャード・コリスさんは、ネス湖の湖畔をドライブしていた際、水面に浮かぶ何かを発見したため、携帯電話で動画を撮影したとのことです。
残念ながら画質が悪く、被写体も小さいので、ちょっと消化不良の動画です。
次ページでは、石原慎太郎氏のネッシー探索と、日本のトロール船が死骸を引き揚げて話題になったニューネッシーをご紹介します。