ピラミッドには不思議な力が宿っていると、よく言われます。この力はピラミッドパワーと呼ばれています。
日本でも1970~80年代のオカルトブームに乗って、ピラミッドパワーが注目されました。まだまだ未解明な点が多いのが事実ですが、多くの研究や実践により、効果の検証が行なわれています。
実は、ピラミッドパワーとはどんなものなのか、過去にはどのような研究があったのか見ていくと、現代でも注目されている効果が浮かび上がってきます。
それはアンチエイジング効果です。その意味の通りに老化を防ぐ効果と受け止めて頂いて結構ですが、それが全てではないにしても、アンチエイジングこそがピラミッドパワーの大きな効果を占めている力の正体ではないかと考えられるのです。
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不思議なピラミッドパワーの謎とは?
そもそもピラミッドパワーの最大の謎とは、何でしょうか?
それは目に見えずに確認できないという謎ではなく、さまざまな不思議な効果が確認されているにも拘わらず、それを科学的に証明できないという点にあるのではないでしょうか?
まずは、よく言われているピラミッドの謎についてご紹介します。
腐敗を遅らせる効果
ピラミッドパワーの実験を初めて行なったのは、フランス人のアントワーヌ・ボビー氏であると言われています。
ボビー氏は1930年、クフ王のピラミッドを見学していた時、ピラミッド内に迷い込んだ猫と小動物の死骸が、腐敗せずに乾燥していることに気付きました。
これを不思議に思ったボビー氏は、帰国後に再現実験を行ないました。ベニヤ板で底辺90cm四方のピラミッドの模型を作り、その中に動物の内臓・肉・卵などを入れて置いてみたのです。
すると実験開始から数日が経た後にも、新鮮さが保たれていることが分かりました。ボビー氏は、ピラミッドには死骸を腐らせずに、すみやかにミイラ化してしまう力があるという結論を得たと述べています。
このように、ピラミッドパワーに「腐敗を遅らせる」という効果があることは古くから知られていますが、興味深いのは、ボビー氏のピラミッドはベニヤ板で造られていたという点です。
ベニヤ板に、特別な防腐効果は認められないでしょうから、「ピラミッドという形状」だけで、何かしらの不思議なチカラが発揮されたと考えられるのです。
ピラミッドパワーと黄金比の関係は?
では、ピラミッドパワーの秘密は、形状だけにあるのでしょうか?
ピラミッドは黄金比で設計されていると、しばしば言われています。黄金比とは、「1:1.618」の比率です。
黄金比は古代ギリシャで発見されて以来、人間にとって最も安定した美しい比率とされ、一説には、自然界のDNAに組み込まれている比率とも言われています。
但し、実はピラミッドは黄金比とは少し異なります。建造当初のクフ王のピラミッドのサイズは、一辺が約230.4メートル、高さ約146.6メートルです。
ピラミッドの高さと一辺の比率の「146.6:230.4」は、およそ「1:1.571」となります。これは黄金比に近い数字ではありますが、ピラミッドの精度の高さを考慮すると、この誤差は大きいと考える人も大勢います。
ちなみに、他のエジプトのピラミッドにおいても、やはり近い数字は出ているようですが、ぴったり黄金比に一致しているものはないようです。
ピラミッドの材質の影響
ピラミッドの形状だけではなく、材質について言及した意見も見られます。
エジプト考古学者の吉村作治氏は、ピラミッドパワーについて、石灰岩の遠赤外線効果と花崗岩の磁性が作用し合った力ではないかと語っています。
吉村氏によると、ピラミッドに使用されている石材の石質が磁性体であるため、ピラミッド内部に磁場が生じて起こるレナード効果現象であって、ピラミッドの形状(正四角錐)によって起こるという説を否定しています。
そうなると、かつてボビー氏が行った実験結果を始め、他の研究成果を無視することになりますが、果たして、そこまで否定できる根拠はあるのでしょうか?
しかし、その吉村氏であっても、ピラミッドパワー(ここでは腐敗の遅延効果)の存在は暗に認めていると思われます。
それが形状によるものなのか、材質によるものなのか、あるいは他の条件も加わっているのかについて、まだ研究者の間で見解が一致していない(解明されていない)だけなのです。
ピラミッドの方向性が重要?
他の条件としては、ピラミッドの方向性が重要であり、4つの三角形の面が正確に東西南北に向いている必要があるとも言われています。
実際にエジプトのピラミッドも、ほぼ正確に東西南北に向いています。これは憶測になりますが、地球の磁場が発しているエネルギーとの相乗効果が働いているのかもしれません。
実は、地球の磁場(地磁気)がなぜ発生しているのかについても、今の科学で完全に解明されているわけではありません。
よく「科学的な根拠がない」と言いますが、そもそも科学そのものも万能ではなく、本当は分からないことだらけなのです。
カミソリの刃の寿命が延びる
ピラミッドパワーの説明で、よく出て来る話として「カミソリの刃の寿命が延びる」という効果があります。
チェコスロバキア(当時)のピラミッド研究者のカール・ドラバル氏(元々は無線技術者)が、この効果について発見し、カミソリの刃の寿命を延ばすために使っていたピラミッドの特許まで取得しています。
ドラバル氏は1940年代の初め頃から、クフ王のピラミッドを象った段ボール製の小さな模型に、カミソリの刃を入れておくと、寿命が延びるという実験を繰り返していました。
それによると、毎日100回以上も使った後でも、カミソリの刃の寿命が延びる効力を発揮し続けるということを確認しています。
特許の要点を言うと、「ピラミッドの形をした空間の中では、刃の材料の緻密な結晶構造の自動再生が起きる」ということになるようです。
そして興味深いことに、ドラバル氏も地球の磁場の方向に合わせてカミソリを置かなければならないと述べています。
ドラバル氏は様々な理論を打ち立てて特許を申請していますが、特許委員長にも実際に使ってもらったところ、本当にカミソリの刃の寿命が延びるという効果が確認されました。
その後、この特許委員長がドラバル氏の理論を擁護してくれるようになったことも、普通では通るとは思えない特許申請が認められた大きな理由のようです。
ピラミッドパワーが人間に与える影響
他にも、様々な研究から「静電気の発生」「植物の成長を促進させる」など、多くのピラミッドパワーの効果が指摘されていますが、「瞑想やヒーリングに影響を与える」という人間に与える効果も挙げられています。
哲学者・神秘主義者のポール・ブラントン氏は、1930年代に大ピラミッド内の王室で一晩を過ごし、瞑想を行ないました。その際に彼は幻視を体験しています。
ピラミッドパワーが知られるようになって来ると、瞑想用のピラミッド・テントを購入する人たちが多くなり、彼らの中には過去世を見たり、次元の異なる領域の美しい色や形、音楽などを見たり聞いたりしたという報告も多数寄せられるようになりました。
これらは臨死体験と同じく、個人の体験であるために実証することはできませんが、ピラミッドパワーが人間の精神にも影響を与えるとなると、さらに興味深い研究材料になるのではないでしょうか?