屋久島の木霊の正体は?
鹿児島県・屋久島には、縄文杉(上写真)と呼ばれる巨大な屋久杉があります。幹の太さは16.1メートルもあり、樹齢2,000~3,000年を超えると言われています。
屋久島では、縄文杉と同等の巨木が複数確認されています。まさに木霊の精霊たちが、今も棲んでいても不思議ではないような場所なのですが、その一方で、「屋久島の木霊」の写真については懐疑的な見解もあります。
まずは、『謎解き超常現象DX』より、その見解をご紹介します。
木霊ではなく光学的な現象
懐疑的な結論を先に書くと、「屋久島の木霊」の正体は、水滴(雨粒)に光が反射した光学的な現象である、ということです。
屋久島は海からの湿った風が、1,000mを超える山にぶつかり、雨が降りやすい環境にあります。屋久島の年間降水量は、東京の約3倍もあるそうです。
そうなると、観光客が撮影した写真も、雨の日である場合が多くなります。そのような状況でフラッシュを発光させると、水滴が反射して、木霊のような発光体が撮れてしまうわけです。
実際に、「屋久島の木霊」の写真では、多くの場合、雨または雨上がりの状況で撮影されたことが確認できるそうです。
木霊の目や口の正体は?
とはいえ、木霊の目や口の部分は、どのように説明するのか?という疑問は残りますね。これも光の反射で、偶然に目や口のように見えるだけなのでしょうか?
これについては、オーブは白一色ではなく、濃淡があるのが普通です。特に水滴の場合には、水の粒が凹凸のレンズ状になるため、光が屈折して濃淡が明確に現れやすくなります。
その濃淡の黒い模様が、あたかも目や口のように見えるということです。ただの偶然ではなく、ちゃんと説明が付くということですね。
木霊はデザイナーが考えた架空の存在
最後にダメ押しになりますが、『謎解き超常現象DX』によると、そもそも、『もののけ姫』の木霊はデザイナーが考えたものに過ぎないということです。
要するに、写真に撮影された木霊が、架空のキャラクターに似ているからと言って、本物である証明にはならないという見解です。確かに、理屈ではそうなりますね。
ただ、Wikiによると、『もののけ姫』に登場する木霊は、「(屋久島の)森に何かいるのが見えるというスタッフの手によるもの」と説明されています。
これが本当ならば、霊感のあるスタッフが、実際に見えた(霊視した)木霊を参考にしてデザインしたことになります。
「いやいや、霊視なんて何の証明にもならないよ」という意見もあるとは思います。
しかしながら、すべての木霊(オーブ)の正体を光学的な現象とするならば、やはり個人的には抵抗を感じます。
オーブは全て光学的な現象か?
写真に撮影されたオーブの中には、ご紹介したように光学的な現象が多いことは事実だと思います。
では、写真ではなく、移動しているオーブの場合はどうでしょうか? 下記の動画をご覧ください。
これは米国・フロリダ州にある「宇宙飛行士の殿堂博物館」の監視カメラが捉えた謎の発光体「オーブ」の映像です。
博物館の責任者であるチャーリー・マーズ氏は、ニュース番組のインタビューで、「オーブは自らの意思で、この部屋の展示品を見に来たのではないか」と自身の見解を語っています。
光の反射では説明が付かない
撮影場所が、宇宙飛行士の殿堂博物館であり、博物館の責任者のインタビューも取れていることから、フェイク映像の可能性は除外してよいでしょう。
オーブが撮影された日は、すべての空調システムをオフにしており、塵やホコリが舞うような環境ではなかったそうです。管理されている博物館の施設なので、もちろん水滴もありません。
固定された監視カメラで撮影された映像であり、オーブが移動していることからも、光の反射では説明が付きませんね。では、何なのでしょうか?
監視カメラに近づいた羽虫の可能性はあるものの、丸い輪郭のある発光体に見えるので、羽虫の説明でも無理があるように思います。
偽物を証明するほうが簡単
オーブの全てが霊的現象だとは思いませんが、だからといって、全てが光の反射などで説明が付くと考えるのも、事実の一面しか見ていないように思います。
なぜならば、宝石箱の中に一つ、ガラス玉のイミテーションが見つかったからと言って、全てが偽物という証明にならないからです。
今回の「屋久島の木霊」も同じように、光学的現象で説明が付く写真もあるとは思いますが、それだけで他の写真まで全否定はできませんね?
そもそも、偽物は証明できても、残念ながら本物の証明はできません。科学がそこまで追いついていないので、今のところ、霊的存在を証明する方法がないのです。偽物を証明するほうが簡単です。
考えてみてください。江戸時代には、電波の存在を理解できる人はいませんでした。でも現代人は、目には見えなくても電波の存在を疑う人はいません。
本物の場合には、一度証明されれば、それで決着がつきます。
今後、科学が霊的存在にまで踏み込んで行くならば、木霊のような精霊の存在が証明される日も、やって来るのかもしれません。