従来の定説では、大ピラミッドの謎は解き明かせない
『ピラミッド5000年の嘘』では、建築家や数学者たちなど、各分野の一流の専門家（考古学以外の分野）たちが登場して、個別に見解を述べています。
彼らが、共通して繰り返し述べていることは、現在の最先端技術であっても、「ギザの大ピラミッドを建造するのは、極めて困難である」ということです。
これが何を意味するのかと言えば、従来の定説では、大ピラミッドの謎は解き明かせない！ということではないでしょうか？
要するに、「古代エジプトの人々は現在にも匹敵する、あるいは上回る高度な建築技術を持っていた」と考えない限り、あのような巨大かつ精巧な大ピラミッドを建造するのは不可能なのです。
しかし、主流の考古学者たちは、それを一切認めません。そのような考えは最初から論外であり、「そんな大昔の人々が高度な技術を持っているはずがない」という一点張りなのです。
大ピラミッドの建設期間を、20年とする根拠
例えば、ギザの大ピラミッドの建設期間は、なぜ20年とされているのでしょうか？
それは、紀元前5世紀のギリシャの歴史家ヘロドトスの『歴史』に、20年と記されているからです。しかし、それが書かれたのは、大ピラミッドの建設から2,000年以上も経過した後の時代なのです。
また、ヘロドトスが生きていた時代には、大ピラミッドについて、12人の有名な著述家たちが各々に異なる意見を述べていました。
しかし、残念ながら、今も著作が現存しているのは、ヘロドトスの『歴史』だけなのです。要するに、ヘロドトスの『歴史』は、必ずしも信憑性が裏付けられている文献とは言えないのです。
エジプトの主流派の学者たちは、大ピラミッドは単純な道具を使って、じっくりと丁寧な仕事をして完成させたと主張しています。
その一方で、ヘロドトスの『歴史』の一冊だけに頼り、たったの20年でピラミッドを完成させたとも主張しているわけです。
これは素人が聞いても矛盾した話ですが、この主張が、なぜか今も定説とされています。
映画の冒頭で、「エジプト学が説明のつかない事象に目を瞑っていただけ」というナレーションがありますが、その意味は、これ一つでも分かりますね。
ピラミッドに疑問を持ち、その謎の一つを解き明かそうとすると、全てのことを一から見直さなければならなくなるそうです。
これは、私たちはピラミッドについて、「本当は何一つ分かっていない」という事実を示しているのではないでしょうか？
人類の進化は、直線的ではない
巨大で頑丈なピラミッドを建造した者たちが、高度な技術を持っていなかったと考えるほうが、よほど難しいですね。
私たちは、人類は直線的に進化するのみので、今現在が、もっとも高度に発達した文明であると考えているわけです。
ところが、本当は人類が認識している以上に、もっと大きな1万年の単位で、幾つもの文明が栄枯盛衰を繰り返してきたと考えるならば、どうでしょうか？
例えば、一つの文明は、季節の「春⇒ 夏⇒ 秋⇒ 冬」のように誕生し、発展し、滅亡するとします。
仮に、現在の文明を「冬⇒ 春」の段階とするならば、私たちは夏の暑さを、まだ知りません。今よりも暑い夏の季節が、去年にあったはと知らずに生きているのです。
「今よりも高度な文明が、過去にあるはずがない」と考えるのは、「今よりも暑い季節が、過去にあるわけがない！」と言い張っているのと、同じ理屈です。
このような考古学者たちの態度に、「モノ申す！」という思いで製作されたのが、『ピラミッド5000年の嘘』なのです。
ピラミッドは、地球のID？
実は、『ピラミッド5000年の嘘』は、ピラミッドの謎のみに留まりません。イースター島やペルー、メキシコなどの巨石文明にも足を踏み込んでいきます。
プーヤール監督は、以下のようにも述べています。
ピラミッドの中には、地球を表す多くの要素が含まれています。
少なくとも、ピラミッドは北半球の4万3200分の1の模型であると思いますし、それだけではなく、自転のスピード、光の速さを示す数字も入っています。
これだけを聞いて、すぐに理解できる人はいないと思います。映画を観た私も、ここから先の話になると、どのように捉えてよいのか分からなくなります。
当記事で紹介したギザの大ピラミッドの「8つの真実」は、まだ序章でしかありません。ここから、ようやく真実の追求が始まるのです。
プーヤール監督は、インタビューの中で、「ピラミッドは、地球のID」という、謎めいた発言もしています。恐らくこの点も、エジプトの考古学者たちから猛反発されている理由でしょう。
「こんなセンセーショナルな映画を作って、どうせ商業的な金儲けのために作ったんだろう？」という、彼らの内の声が聞こえてきそうです。
果たして、プーヤール監督は金儲けのために映画を製作したのでしょうか？ それとも、ピラミッドの真実を訴えるために、この映画を製作したのでしょうか？
その答は、あなた自身が『ピラミッド5000年の嘘』を観た上で、判断してほしいと思います。
ただし、一般のニュースで流れるような考古学上のピラミッドの新発見ではないので、それを期待している人は観ないほうが良いと思います。
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