ピラミッド5000年の嘘を読み解く「8つの真実」
映画『ピラミッド5000年の嘘』は、このような大いに好奇心をくすぐられるナレーションから始まります。
この映画では、冒頭から、有名なギザの大ピラミッドにおいて、考古学者たちが見て見ぬ振りをしてきた「8つの真実」を紹介しています。
エジプトのギザの大ピラミッドは、定説ではクフ王の墳墓として、紀元前2560年頃に20年前後かけて建築されたと考えられています。
建造された方法は様々に推測されてはいますが、現在のように高度な建築技術や測量機器、クレーン車などの大型機械などは存在しない時代です。
このため、大ピラミッドは、銅製のノミや石の小槌、麻縄などの原始的な道具だけで建造されたことになっています。
しかし、この8つの真実を知ると、「今までのピラミッドの常識は間違っているのではないか?」という疑念が持ち上がってくるのです。
それでは、『ピラミッド5000年の嘘』で指摘されている「8つの真実」を、具体的にご紹介していきます。
ピラミッドの真実① 周囲の礎石の存在
まず最初に、「ピラミッドの真実①」として、ピラミッド周囲の礎石の存在が指摘されています。
ピラミッドと聞くと、積み上げられた巨石にばかり目が向けられますが、実は、ギザの大ピラミッドの周囲には、6,000ヘクタール(1ヘクタール=100m×100m)にもわたって、無数の礎石が敷き詰められているのです。
その礎石でも、たった一つで、乗用車一台に匹敵する重さがあります。
大ピラミッドが建設される以前、辺り一帯は大きな丘になっていました。その6,000ヘクタールもの広大な土地を人力で切り拓いて、さらに巨石を敷き詰めているのですから、これだけでも驚異的な「離れ業」です。
しかし、この点を指摘しているピラミッドの建築理論は、これまでにほとんどありません。それは何故なのでしょうか?
ピラミッドの真実② 最大70トンもある花崗岩130個
「ピラミッドの真実②」として、最大70トンもある花崗岩(御影石)130個の存在が指摘されています。
ギザの大ピラミッドの中心には、最大で70トンもある花崗岩130個が、800km以上も離れた距離から運ばれて来て、それが60m近い高さ(高層ビル20階に相当)まで積み上げられています。
これは現在の技術を持ってしても、非常に困難な作業です。しかも、この巨大なピラミッドの構造からは不釣り合いなほど小さな玄室(墓室)が、3つしか確認されていません。
定説のように、大ピラミッドをクフ王の墓とするには、あまりにも理解しがたい構造をしているのです。
ちなみに、ピラミッドに積み上げられている石材は、石灰岩です。花崗岩はそれよりも硬くて加工しにくい石です。
最大で70トンもある花崗岩を、わざわざ800kmも離れた場所から運んで来て、60m近い高さに積み上げている点に注目してください。
しかも、後述しますが、単に積み上げているのではなく、驚くほどの精度で水平と垂直を保ち、積み上げているのです。
ピラミッドの真実③ 地下の玄室まで貫く通路
「ピラミッドの真実③」として、地下の玄室に続く通路の存在が指摘されています。
ギザの大ピラミッドの地下にある玄室には、長さ90m・幅90cmの通路が続いています。この通路は驚異的な正確さで、石材を貫通しているのです。
ポツダム広場(ドイツの首都ベルリンのミッテ区にある広場、交差点。1日に7万人が訪れる)の再開発に携わった現代の建築家のピエール・ルイジ=コパ氏は、映画の中で以下のようにコメントしています。
幅が90cmしかない狭い通路で作業するのは困難を極める上に、地下に向かう通路の角度を保つためには、正確な測量機器が必要です。
ピラミッドの真実④ 石積みの技術
「ピラミッドの真実④」として、ピラミッドの石積みの技術が指摘されています。
ギザの大ピラミッドでは、乗用車なみの重さがある不揃いな巨石が、なんと200万個以上も積み上げられています。
この石積みの技術は、現在の最新技術に匹敵します。
しかも、一番上にある「王の間」は、水平に位置し、垂直さを完璧に保っています。現代の建築であっても8mmほど生じる誤差が、1mm程度しか生じていません。
大ピラミッドは、この驚異的な精度を誇る建造により、耐震性もズバ抜けて高く、3度の大地震にも耐えました。13世紀にカイロが壊滅した大地震でも、ピラミッド内部も含め、何一つビクともしませんでした。
現代の技術をもってしても、5千年もの長い時間に耐え、幾度もの大地震にもビクともしない建造物を、果たして建てられるでしょうか?
ピラミッドの真実⑤ 方位の正確さ
「ピラミッドの真実⑤」として、ピラミッドの方位の正確さが指摘されています。
ギザの大ピラミッドは、誤差が100分の5度未満という驚くほどの正確さで、ぴたりと北に向いています。17世紀に建てられたパリ天文台ですら、誤差は大ピラミッドの5倍もあるのです。
ピラミッドの真実⑥ ピラミッドは8面ある
「ピラミッドの真実⑥」として、大ピラミッドは8面になっている点が指摘されています。
見た目には4面ですが、各面がわずかに内側に傾いているため、実際には8面体になっているのです。
不揃いな石材を高く積み上げ、ミリ単位の精度で、このような8面体の構造にするのは、現在の測量機器と技術を使っても至難の業です。
しかし、エジプトの専門家は、意図的に8面体にしたのではなく、偶然に出来た結果なのだと主張しています。
ピラミッドの真実⑦ ピラミッドの建造年数
「ピラミッドの真実⑦」として、ピラミッドの建造年数について指摘されています。
ギザの大ピラミッドは、20年で建設されたと言われていますが、それがどれほど無理な計算であるかが指摘されています。
200万個の石を切り出し、積み上げるのに、1日12時間・365日休まずに作業したとすると、1個当たりの作業時間は、わずか2分半になります。
ピラミッドの真実⑧ ピラミッドの建造方法
「ピラミッドの真実⑧」として、ピラミッドの建造方法が指摘されています。
ギザの大ピラミッドが建造された時代には、まだ人類の多くは狩猟生活を送っていました。車輪や鋼鉄もない時代です。
そんな時代に建造された大ピラミッドは、銅製のノミや石の小槌、麻縄などの道具だけで建造されたことになっているのです。
以上、ギザの大ピラミッドの8つの真実をご紹介してきましたが、どのように思われたでしょうか?
ここまででも、まだ映画の始まりに過ぎず、まだまだ知られていない真実が様々に提示されていきます。
そのすべては紹介できないので、次ページでは、映画『ピラミッド5000年の嘘』を観た所感を述べてみたいと思います。