2015年6月29日の午前1時30分頃、NASA(アメリカ航空宇宙局)の5台の流星カメラが、毎時約2万3,000kmで上空を横切る謎の発光体を捉えた映像です。
かなり強い光を発している様子が確認できます。
発光体は、同日の早朝、地上からも確認されており、米国・ジョージア州の目撃者は、「まるで飛行機が燃えながら墜落しているようだった。約1分間、落下しながらずっと発光していた」と語っています。
また、ジョージア州の他にも、ペンシルベニア州、オハイオ州、ニューヨーク州など、米国4州の広範囲に渡って目撃されています。
NASA流星カメラが捉えた謎の発光体
謎の発光体の目撃報告は、NASAに120件以上も寄せられたということです。報告数だけで120件以上ですから、実際には、もっと数多くの人々が目撃したと思われます。
時々、パッと強い閃光を放っている様子も見られます。
謎の発光体の正体は、宇宙ゴミなのか?
謎の発光体の正体について、NASAの流星環境局のウィリアム・クック氏は、「ABC News」のインタビューで下記のように答えています。
時速2万3,000kmというスピードは流星としては緩やかすぎるため、宇宙ゴミで間違いないだろう。
NASAの定義では、流星として区分するなら時速約3万2,000kmが必要のため、宇宙ゴミとして考えられているようです。
「宇宙ゴミ(スペースデブリ)」とは、宇宙飛行士が落としたペンチなどの工具類や手袋などの小さな物から、打ち上げに使用したロケット本体や故障などで不要になった人工衛星などの人工物のことです。
宇宙塵と呼ばれる微小な隕石などは、これには含まれません。
過去に落下した実際の宇宙ゴミ
写真は、過去に地上に落下した「デルタ2(人工衛星打ち上げ用中型ロケット)」の燃料タンクの宇宙ゴミです。大気圏に突入し、その一部が燃え尽きずに地上へ落下しています。
実際に、こんなものが空から落ちてくるのですね。街中に落下したら、大惨事になっています。
宇宙ゴミではない!との主張もあります
ここまで読んで、NASAの見解通りに「やはり宇宙ゴミであったのか」と、納得してしまう人も多いと思います。NASAの見解ですから、間違ってもUFOだと言うはずがありませんね。
発光体は宇宙ゴミなどではなく、UFOであると主張している人もいます。
UFO研究家のスコット・ウェアリング氏は、宇宙ゴミにしては速度が遅すぎること、そしてNASAの対応が曖昧である点を、自身のサイト「UFO Sightings Daily」で、下記のように主張しています。
仮に宇宙ゴミだとしたら、NASAはこれがどの破片であるか、いつごろ大気圏に突入したかなど、細かいデータを取り予測していたはずだ。
宇宙ゴミはすぐに燃え尽きてしまうのが普通ですが、米国4州にわたって眩い光が目撃されており、このことからもウェアリング氏は「宇宙ゴミではない」と結論付けています。
地球を取り巻く膨大な宇宙ゴミ
ちなみに、こちらの映像は、1957~2015年まで、宇宙ゴミが増加していく様子を可視化したイメージ映像です。
宇宙開発に伴って、宇宙ゴミの数は年々増え続けています。確認できるだけでも、これだけの宇宙ゴミが、地球の周りを浮遊しているとは驚きです!
今回の謎の発光体が、宇宙ゴミなのか、UFOなのかは置いておくとしても、宇宙ゴミの対策は人類の課題になっています。