古来より、木霊(こだま)と呼ばれている精霊、または妖怪がいます。
宮崎駿監督のアニメ映画『もののけ姫』にも登場しているので、木霊と言えば、上の動画のようなイメージが真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか?
実は、これによく似た木霊の写真が、鹿児島県・屋久島の森で撮影されて、ネットで話題になったことがあります。
そもそも、『もののけ姫』の舞台のモデルは、屋久島の森です。そこで木霊の写真が撮影されたのですから、「やはり木霊は実在した!」と考えたくもなりますね。
果たして、屋久島には木霊と呼ばれる精霊が、現在も棲んでいるのでしょうか?
森の精霊・木霊とは?
木霊は、森の精霊と言われていますが、そもそもの意味は樹木に宿る霊のことです。
古くから木霊の存在は伝承されており、日本最古の歴史書・古事記(712年)に登場する「木の神(ククノチノカミ)」は、木霊であるとも言われています。
平安時代の文献には、木霊を妖怪に近い存在と見なして、怪火や獣の姿で現れたり、人間に恋をした木霊が人の姿になって会いに行ったという話もあります。
屋久島に限らず、日本には山岳信仰が根付いているので、森に精霊が存在すると考えるのは自然なことでしょう。現代でも、山彦(やまびこ)は木霊のしわざと言われているので、日本人には馴染み深い存在です。
ただ、本当に木霊がいると信じている人は、どれだけいるでしょうか?
山を神聖な場所とは思っていても、木霊のような精霊は、伝説上の存在だと考えるのが普通でしょう。信じるという人でも、実際に木霊を見たという人は少ないと思います。
屋久島の木霊の写真
そもそも木霊は、肉眼では見えない霊的存在です。オーブと同じく、撮影したら偶然に写っていたケースがほとんどです。
では、どのような姿をしているのでしょうか? 屋久島で撮影されて話題になった「木霊の写真」をご覧ください!
ネットで話題になった「屋久島の木霊」
こちらの木霊の写真は、2006年頃からネットで広まり、「屋久島の木霊」と呼ばれています。ご覧のように、可愛らしい目が二つ付いています。
『もののけ姫』の木霊よりも、顔が横長に広がっていますが、よく似ていますね。
アニメっぽくも見えるのですが、加工されたフェイク写真ではないようです。こんな森の精霊が本当にいたら楽しいですね。
口をぽっかりと開いている木霊
上記の写真以外にも、ネットでは屋久島で撮影されたという木霊の写真が見られます。
こちらは逆光気味になっていますが、口をぽっかりと開いている木霊の姿も見えます。顔だけで体は見えませんが、こちらも『もののけ姫』の木霊に近い姿をしています。
無数の木霊の写真
こちらの写真には、無数の木霊らしき発光体が写っています。心霊スポットでよく撮影されるオーブに近いですね。
ただ、よく見ると、目や口が確認できるものもいます。これも屋久島の木霊でしょうか?
木霊の写真の共通点
紹介した3枚の写真の共通点は、オーブのような白い発光体がいくつも撮影されており、なおかつ目や口があることです。
よく見るオーブの写真ならば、大きな話題にならなかったと思われますが、撮影場所が屋久島であることと、その屋久島をモデルにした『もののけ姫』の木霊と似ていることで、ネットで多く拡散されました。
次ページでは、この屋久島の木霊の正体について考察してみます。