米国ワシントンD.C.の連邦議会議事堂の上空に、UFOの大編隊が現れて大騒ぎになった事件があります。
これはワシントン事件(ワシントンD.C. UFO乱舞事件)と呼ばれており、アメリカの最重要エリアにUFOが現れて、戦闘機まで出撃しているのですから、これは大事件です。
本やネットでも、よく紹介されているUFO事件なので、ご存知の人も多いでしょう。
但し、なぜワシントンD.C.の上空にUFOが現れたのか?については、あまり考察されていないように思います。
ワシントン事件は1952年という、今から65年も前に起きたUFO事件です。
しかし今、改めて振り返ってみると、人類への「核兵器開発の警告」という、非常に興味深い事実が浮かび上がってきます。
UFO大編隊が出現したワシントン事件とは?
ワシントン事件は、アメリカのUFO事件の中でも広く知られていますが、そもそも、どのような事件であったのでしょうか?
以下、ワシントン事件の概要を、紹介していきます。
ワシントン事件の概要
1952年7月19日の午後11時40分、ワシントン国際空港の航空管制センターのレーダースコープ上に突然、7つの怪光が出現します。
常識では、レーダーの中心域に、突如として飛行物体が現れることは考えられません。どこからともなく現れるのは幽霊くらいなものです。
このため、最初に発見した管制官は、機械の故障と考えました。
機械の故障ではなかった
しかし、これは機械の故障ではありませんでした。ワシントン国際空港だけでなく、ワシントン郊外にあるアンドルーズ空軍基地のレーダーでも、同じ怪光が捉えられていたのです。
この時、基地要員のアンドリュース氏は、謎の怪光が現れた空域を見上げ、3つの何かが猛スピードで飛行している様子も目撃しています。
旅客機の機長と乗員も飛行物体を目撃
実は、謎の怪光が現れた空域の付近を、キャピタル航空の旅客機が飛んでいました。謎の怪光は、その旅客機を追いかけるような素振りも見せています。
機長のピアマン氏は、管制官からの報告を受け、危険回避のために進路を変更しています。
この時、ピアマン氏は、ライトを付けた謎の物体が飛んで行く姿を目撃しており、同じく、他の搭乗員や乗客も目撃しています。
F-94戦闘機が出撃
翌午前3時、米空軍は、F-94戦闘機を2機出撃させます。しかし、戦闘機が到着する前に、飛行物体は姿を消してしまいました。
午前5時30分に、F-94は捜索を打ち切ります。すると、再び怪光が出現しました。
謎の怪光は、戦闘機をあざ笑うかのように、追いかけると消えるというイタチごっこを幾度か繰り返した後、どこかへ飛び去ってしまいました。
時速1万1,700kmのスピード?
米空軍はこの事態を受けて、怪光の動きから、飛行物体の速度を割り出しています。
それによると、当初は時速200km前後で飛行していましたが、一瞬にして時速1万1,700kmまで加速しているというのです。
これは現在までに開発された戦闘機の最高速度(MiG-25の実測マッハ2.83:時速3,400km程度)も、軽く超えています。宇宙に打ち上げるロケットでもない限り、この速度は出せません。
ましてや、テレポーテーションするかのように突然現れたり、消えたりできる飛行物体など、地球上に存在していないことになっています。
翌朝にはアメリカ全土でUFO騒動に
市民からの目撃通報もあり、翌朝にはマスコミに知られて、ワシントン事件はアメリカ全土を巻き込むUFO騒動となりました。
しかし、米空軍情報部は説明を拒否したため、情報の公開を巡って激しい論議が続いたとのことです。
政府としては、ダンマリを決め込むことで沈静化を狙ったのかもしれません。が、ワシントン事件はこれで終わりではなかったのです。
ワシントンDCの上空に、UFOが再来!
7月26日、ワシントンD.C.の上空に、再びUFOらしき怪光が現れます。
当時のトルーマン大統領は、自ら物理学者のアルバート・アインシュタイン博士に電話で助言を求めたというのですから、その慌て振りが分かるというものです。
トルーマン大統領は午前2時40分、またもやF-94戦闘機を出撃させます。
この時にも、謎の怪光はF-94戦闘機をあざ笑うかのような挑発行為を繰り返した後、レーダー上から完全に消えてしまいました。
F-94戦闘機のパイロットの一人、ウィリアム・パターソン中尉は、「突然、目も眩むほどの青白い光が輪となって機体を取り囲んだ」と、出撃した際の状況を述べています。
ワシントン事件は、特異なUFO事件
以上が、ワシントン事件の一連の騒動です。アメリカの中枢であるホワイトハウスや、連邦議会議事堂の上空にUFO編隊が侵入し、実際にF-94戦闘機が出撃しています。
さらには、管制官やパイロットたちの証言にあるように、戦闘機を挑発するような行為を何度も繰り返したという点で、非常に特異なUFO事件です。
ワシントン事件は、UFOの大編隊が目撃された、というだけでは済まない事件なのです。
当時は冷戦の最中にあった
ワシントン事件は1952年に起きており、当時のアメリカは旧ソ連との冷戦の最中にありました。
アメリカ国民の多くは、UFOというよりも、「ソ連の新型戦闘機が攻めてきたのか?」という、もっと現実的な空の脅威として感じ取ったのではないでしょうか。
ソ連との衝突は、当時のアメリカ国民の最大の関心事でしょうから、謎の怪光を巡って、政府に情報開示を激しくせまったのも頷けますね。
では、その米政府は、どのような見解を発表したのでしょうか? 次ページでは、ワシントン事件の真相について考察してみます。