巨人族の神話や伝説は本当か? 人類は巨人と共存していた!

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旧約聖書の巨人族

旧約聖書にも、巨人族が登場しています。シュメール神話やギリシャ神話と同じく、神々の末裔として巨人族が描かれています。

創世記のネフィリム

ネフィリムの巨人伝説の絵

旧約聖書で一番早く登場する巨人族は、ネフィリムと呼ばれています。「創世記」では、下記のように記されています。

神の子らは、地上に増え始めた人間の娘らが美しいのを見て、おのおの選んだ者を妻とした。

神の子らが人の娘らと交わって産ませたネフィリムが、地上に住みなし、彼らはいにしえの暴虐王として名を馳せた。

ネフィリムは、一般的に巨人族を指しますが、その意味は「(天から)落ちてきた者たち」なのだそうです。そう考えると、ネフィリムは堕天使(神から離反した天使)の子孫を意味します。

但し、「(天から)落ちてきた者たち」を別の解釈で考えると、UFOに乗って空から降りてきた宇宙人の子孫なのかもしれません。

いずれにしても、旧約聖書の「創世記」では、神の子(宇宙人?)と人間の娘の間に産まれたのが、ネフィリム(巨人族)となっています。

大洪水で一掃される巨人族

巨人族ネフィリムは、どのような存在として旧約聖書に記されているのでしょうか?

ネフィリムは屈強な体を持っているので、人間たちを支配する階級として存在したようです。しかし、「彼ら(ネフィリム)はいにしえの暴虐王として名を馳せた」と書かれているので、良い統治者ではなかったようです。

このため、ノアの大洪水前のネフィリムについて、「エノク書」「ヨベル書」「ヤショル書」などでは、下記のような記述があります。

神に反逆したネフィリムは、獣的で、残虐で、狂信的な人喰いの巨人族に堕落してしまった。

人間の食料を食い尽くすと、人間も食い、それもなくなると共食いを始めた。

地上にこのように野蛮な巨人族ネフィリムが増えているのを見て、神は深く反省し、ノアの方舟で知られる大洪水を起こして、地上に蔓延る悪を一掃することにしました。

ノアの大洪水

ちなみに、世界中の多くの神話に共通していることですが、巨人族の中には、人食い種族がいます。巨体で暴れ回るだけでなく、心性も獣に近いのです。

旧約聖書では、地上に蔓延る悪の存在として、堕落した巨人族ネフィリムが記されています。

カナンに住む巨人族

大洪水で一掃されたはずの巨人族ネフィリムなのですが、しかしその後も、巨人族の記述は旧約聖書に見られます。どうやら生き延びた巨人族もいるようなのです。

ネフィリムの記述は、大洪水後の「民数記」にも残されています。

モーセに率いられたイスラエル(ユダヤ人)の一隊が、約束の地であるカナン(現在のパレスチナ)を偵察した時、「屈強な巨人族が堅固な城砦を構え、とうてい勝てそうもない」と、モーセに報告しているのです。

ネフィリムのイメージ

カナンに住むアナク人は、「ネフィリムの出(子孫)なのだ」と語られています。出エジプトから、ユダヤ人たちが40年も荒野を彷徨い続けた原因の一つには、行く手を阻む巨人族の存在があったのでしょうか?

但し、ネフィリムの存在は、カナンの地を偵察した人が、「戦いを恐れて言った偽り」とも聖書に書かれています。

また、アナク人がネフィリムたちの子孫という意味ではなく、まるでネフィリムのように巨人であったという解釈もあります。

いずれにしても、創世記に登場する巨人族ネフィリムの存在が、後世にも長く語り継がれていることは確かです。旧約聖書の記述は、長らく人類と巨人族が共存していた時代があったという証なのかもしれません。

巨人兵士ゴリアテ

巨人兵士ゴリアテと少年ダビデの戦い

旧約聖書の「サムエル記」には、ペリシテ人の巨人兵士ゴリアテと少年ダビデの戦いが記されています。ダビデが投石によってゴリアテを倒し、首を刎ねた話は有名です。

ゴリアテは身の丈2.9メートルとされています。2メートルを超える人は現在もいますから、実際にこのくらいの巨漢の兵士がいた可能性はありますね。ペリシテ人そのものが、巨人族ネフィリムの末裔という説もあります。

巨人兵士ゴリアテの話は、今から3千年ほど前の話になります。まだこの時代には、巨人族の生き残りがいたとしても、不思議ではなさそうです。

次ページでは、インカに伝わる巨人伝説日本の巨人伝説、そして神話に見る巨人族の共通点を考察してみます。

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