英国のストーンヘンジ(Stonehenge)は、その神秘的な構造とイメージから、ヒーリング・スポットとしても注目されています。
毎年恒例の夏至の祭り(※上の動画をご覧ください)には、古代ケルト民族が信仰したドルイド教の信奉者や異教徒に加え、世界中から多くの人々が集まって賑わいます。
しかしストーンヘンジは、世界的に有名な古代遺跡でありながら、未だに多くの謎が残されており、研究者の間でも議論されています。
当記事では、ストーンヘンジはいつ頃、どうやって、何のために作られたのか?について考察してみたいと思います。
ストーンヘンジとは?
ストーンヘンジとは、世界でも最大級のストーンサークルの古代遺跡です。高さ最大7.3メートル、重さ最大50トンにもなる巨石が80個以上もあります。
1986年にユネスコの世界遺産に登録されており、英国の国家遺産として保有・管理されています。
ストーンヘンジの場所
ストーンヘンジは、イギリス南部のソールズベリーから、北西に13km程の場所(ロンドンから、西に約200kmほど離れた地点)にあります。
グーグルアースから見たストーンヘンジの中心部の画像です。⇒ マップで確認
石がサークル状に配置されている直径は、約35~6mあります(外堀を含めたストーンヘンジ全体の大きさは、直径約100m)。
馬蹄形に配置された高さ7mほどの組石、高さ4~5mの30個の立石(メンヒル)、外側をサークル状に取り巻く砂岩で構成されています。
ストーンヘンジの意味
ストーンヘンジ(Stonehenge)の意味は、Wikiでは下記のように説明されています。
ストーンヘンジの語源は古英語で石を意味する “sta-n” と、蝶番を意味する “hencg”(横石が縦石に蝶番のように積んであるから)、もしくは絞首台または拷問具を意味する “hen(c)en” から来ているとされる。
誰が名付けたのは分かりませんが、いつの頃から、ストーンヘンジと呼ばれるようになったようです。
現在の考古学者の間では、ヘンジの意味を「内側に堀を持つ円形の土塁」と定義しています。
しかし、実際にはストーンヘンジは「土塁が堀の内側にある」ので、ヘンジには分類されないという矛盾があるのだそうです。
巨石を使用したストーンサークルの遺跡は、日本を含めて世界各地にありますが、ストーンサークルと言えば、やはり真っ先にストーンヘンジが思い浮かびますね。
正確な意味で言えば「ストーンヘンジ」ではないのかもしれませんが、今さら名前を変えられたら混乱してしまいそうです。笑
ストーンヘンジの夏至祭り
未だに謎の多いスートンヘンジですが、太陽の動きを意識して作られたことは分かっています。
夏至の朝には、ヒールストーンと呼ばれる高さ6mの玄武岩と、ストーンヘンジの中心の祭壇石を結ぶ直線上に太陽が昇るのです。
北半球では、夏至の日が一年のうちで最も昼の時間が長い日(日の出から日没まで)になります。昔から北半球では、夏至は性欲をかきたてる日とされています。
ストーンヘンジの夏至祭りは、古代ケルト人のドルイド教に由来し、男性神、女性神の出会いを祝う意味があると言われています。
しかし、後述しますが、ストーンヘンジが作られた時代を考えると、後からやって来たケルト人と、それ以前に作られていたストーンヘンジは、実際には関連性がないと考えられています。
要するに、ドルイド教を由来としたストーンヘンジの夏至祭りは、もっと時代を下った後世に生まれた祭りなのです。では、建築された当時のストーンヘンジは、いったい何のために作られたのでしょうか?
次ページから、具体的にストーンヘンジの謎について考察していきます。