ストーンヘンジの謎。いつ頃、どうやって、何のために作られたのか?

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ストーンヘンジの謎とは?

ストーンヘンジ

ストーンヘンジの謎として最初に挙げられるのは、鉄も機械もない時代に、巨石をどのようにして運搬し、積み上げて建設したのか?ということです。

ストーンヘンジに使用されている巨石は、最大で50トンもあります。これは一般乗用車で、30台分以上の重さに相当するのです(一般乗用車は約1,500kg前後)。

いかに建設が困難であったかは容易に想像できますね? では、それほどの苦労をしてまで、何のためにストーンヘンジを作ったのか?という点が、最大の謎になります。

以下、ストーンヘンジの多くの謎について、おもに「謎解き古代文明 ASIOS」の書籍を参考にしながら、順番に考察していきたいと思います。

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ストーンヘンジは、いつ頃に建設されたのか?

ストーンヘンジの完成図

ストーンヘンジが建設された時代は、諸説ありますが、かなり古いことは間違いありません。メソポタミア文明や、エジプト文明が発生した時期とほぼ同時期、あるいはもっと古い可能性もあります。

紀元前3,500年頃から、段階的に作られている

1990年代に地元のアレクサンダー・ケリー博物館などが中心となり、調査を行った結果によると、ストーンヘンジの原型が作られ始めたのは、紀元前3,500年頃の新石器時代とされています。

最初は円形に盛った土塁でしたが、およそ1,500年を掛けて、石のサークルへと段階的に作られていったと考えられています。

実は、一度にストーンヘンジを作ったわけではないのですね。後述しますが、この点がストーンヘンジの目的を考察する上で、大事なポイントだと思います。

第2のストーンヘンジもあった!

また近年、ストーンヘンジの周辺地域にも調査を拡大した結果、ストーンヘンジから約1.6km離れた地点にも、巨石で作られた古代遺跡が発見されています。

英ブラッドフォード大学のヴィンス・ガフニー考古学教授率いる研究チームによれば、この第2のストーンヘンジは、少なくとも約4,500年前に作られたものだそうです。

ストーンヘンジの本格的な調査が始まったのは、意外にも1990年代に入ってからなので、まだ新しい発見が期待できるかもしれません。

今は何もない平原ですが、ストーンヘンジを神殿の中心にして、かなり大規模な古代都市が形成されていた可能性もありますね。

起源は紀元前8,000年頃まで遡る?

さらに、現在の観光用駐車場からは、紀元前8,000年頃まで遡る4つの中石器時代の大きな柱穴も発見されています。

これは石柱ではありませんが、直径0.75メートルの松の柱を立てたものになります。

8,000年前の時代となると、人類の営みは貝塚から確認できる程度ですが、後にストーンヘンジを建造する文明の走りが、すでに芽生えていたのかもしれません。

ストーンヘンジのあるソールズベリー平原には、私たちが想像している以上に、高度な文明が存在していたのではないでしょうか?

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ストーンヘンジは、誰が建設したのか?

ストーンヘンジの運搬方法

ストーンヘンジが非常に古い時代に建設されたことは確かですが、では、そのような大昔に誰が建設したのでしょうか

ストーンヘンジはケルト人と関連づけて語られることが多いのですが、実際には異なります。

なぜならば、ケルト人がブリテン島に渡って来たのは紀元10~4世紀であり、ストーンヘンジの建設は、それよりも遙かに古いからです。

ケルト人や彼らの宗教であるドルイド教(霊魂の不滅を信じ、動植物や天空の自然神を崇拝)は、ストーンヘンジと無関係なのです。

5世紀にブリテン島に来たアングロサクソン人たちが、ストーンヘンジを発見した時にも、すでに人影はなく、遺跡は放棄されている状態でした。

このため、現在では、それ以前にブリテン島にいた先住民が、ストーンヘンジを建設したのではないかと考えられています。

古文書の手掛かりも一切ないため、「誰が建設したのか?」についても、はっきりと特定できないというのが現状のようです。

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巨石をどのようにして運搬したのか?

巨石をどのようして運搬したのか?」については、ストーンヘンジに限らず、エジプトのピラミッドや、イースター島のモアイ像などでも問題になっている謎の一つです。

ストーンヘンジの場合、石材にはブルーストーン(西ウェールズ産の玄武岩の一種)と、サルセンストーン(地元の砂岩)が主に使用されています。

ストーンヘンジの石材(ブルーストーン、サルセンストーン)

ブルーストーン

最初に立てられたブルーストーン(西ウェールズ産の玄武岩の一種で、青緑色に黒の斑点がある石)は、400kmも離れたプレセリ山地から運搬されたことが判明しています。この距離は、東京から神戸までの直線距離に相当します。

平均4トンほどの重さですが、82個も使用されていることと、400kmという距離を考えると、とても人力だけで運搬したとは思えない離れ業です。

ちなみに、ブルーストーンには癒し効果のある特別な力が宿っていると信じられていたようです。ストーンヘンジが世界屈指のヒーリング・スポットと呼ばれる所以ですね。

このため、わざわざ遠く離れた場所から、特別なブルーストーンを運んで来たとも言われています。

このブルーストーンで作られたブレスレットが販売されていました。こちらはストーンヘンジに使用されているブルーストーンと、同じ産地のブルーストーン(プレセリブルーストーン)が使用されています。

その分、少々高いですが、ストーンヘンジと同じ石のブレスレットです。

サルセンストーン

一方、サルセンストーン(サーセンストーン)は30kmほど離れたマルバラーの丘から運ばれていますが、最大で50トンもある巨石です。

巨石の運搬方法については、木のいかだで引いたという説もありますが、その際に使用された道具や、運搬ルートを確定できる証拠は見つかっていません。

遠く離れたブルーストーンは、巨大な氷河が削り取り、近くまで運ばれたものという説もありますが、研究者の間でも議論が続いており、まだ謎として残されたままになっています。

今から4,000~5,000千年も前に作られたのですから、現存する証拠を見つけるのは難しいのだと思います。

次ページでは、ストーンヘンジの最大の謎である「何のために作られたのか?」について、具体的に考察してみます。

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古代の謎
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