私たち人類は、遙か昔、地球にやって来た宇宙人に創造された存在なのだと聞いたら、あなたはどう思うでしょうか?
「そんな話は信じられない!」と言う人が、多数だと思います。でも、高度に発展した古代文明には、宇宙人が関与していたと聞いたら、「そうかもしれない」と思う人もいるのではないでしょうか?
宇宙人による人類の創造や、古代文明への関与は、「古代宇宙飛行士説」として、エーリッヒ・フォン・デニケン氏や、ゼガリア・シッチン氏が主張して有名になりました。
嘘か本当かは置いておくとしても、誰もが一度は、「エジプトのピラミッドは、ひょっとすると宇宙人が建設したのではないか?」などと想像したことはあると思います。
そもそも古代宇宙飛行士説とは、どのような説なのでしょうか?
当記事では、古代宇宙飛行士説の根拠にもなっている「パレンケの宇宙飛行士レリーフ」についても考察してみます。
古代宇宙飛行士説とは?
「宇宙飛行士」と聞くと、普通はNASAの宇宙飛行士を思い浮かべると思います。でも、そうではなくて、ここで言う宇宙飛行士とは、異星人のことです。
彼らは宇宙船に乗り、他惑星から、古代の地球にやって来た宇宙飛行士なのです。星間飛行ができるのですから、彼らは当然のことながら、高度な科学知識を持っています。
その高度な科学知識を使って、「彼ら、すなわち異星人たちが、人類の創造から文明の発展まで、様々に関与したのではないか?」というのが、古代宇宙飛行士説の中心的な考え方になります。
要するに、古代宇宙飛行士説とは、人類史はもちろん、進化論も根底から覆してしまうトンデモ説なのです。
古代宇宙飛行士説の概要
古代宇宙飛行士説を、最初に広めたのはスイス人のエーリッヒ・フォン・デニケン氏です。他にも、ゼガリア・シッチン氏などが有名です。
日本では1970年代のオカルトブームの中、デニケン氏の著作『未来の記憶』がベストセラーとなりました。彼が主張する古代宇宙飛行士説の概要は、以下のとおりです。
- 宇宙人は、類人猿から人類を創った。
- 巨大な考古学遺跡やオーパーツは、宇宙人の技術で作られている。
- 世界各地に残る神話の神々は、宇宙人を神格化したものである。
▲エーリッヒ・フォン・デニケン氏
デニケン氏の『未来の記憶』が発表されてから、すでに半世紀が経ちます。残念ながら、「宇宙人は、類人猿から人類を創った」と言われても、それを証明できる材料は未だに発見されていません。
しかし、古代宇宙飛行士説を持ち出せば、古代文明の多くの謎が解けることから、支持をしている学者もいるのです。
人類を創造したアヌンナキとは?
宇宙人による人類の創造と言えば、紀元前3800年頃、イラク南部のユーフラテス河地域に栄えたシュメール文明のアヌンナキが有名です。
アヌンナキとは、シュメールおよびアッカドの神話に登場する神々のことです。
▲ゼガリア・シッチン氏
古代宇宙飛行士説の提唱者の一人、ゼガリア・シッチン氏は、「シュメール文書」の粘土板を解読した結果、「我々人類を創造し、シュメール文明を興したのはアヌンナキである」と主張しています。
その主張によると、太陽系第10惑星・ニビル(確認されていない仮説上の惑星)から地球にやって来たアヌンナキたちが、新たな労働力を得るため、自分たちに似せて造った奴隷が、すなわち人類なのです。
▲「天より地に降りきたる者」を意味するアヌンナキ
人類最古と言われるシュメール文明の大きな謎は、突如として文明が出現し、高度な都市社会を築き上げたことにあります。また、そもそも文明を築いたシュメール人たちの民族系統が不明であり、彼らがどこからやって来たのかも特定できていません。
これらの謎については、信じる・信じないは別にして、古代宇宙飛行士説を持ち出せば説明は付くのです。
ある日突然、高度な科学知識を持つ異星人たち(アヌンナキの神々)がやって来て、人類(シュメール人)の創造・進化に携わったため、いきなり高度なシュメール文明が生まれたのです。
古代宇宙飛行士説を広めたデニケン
古代宇宙飛行士説を広めたエーリッヒ・フォン・デニケン氏をWikiで調べてみると、冒頭に以下の文節が書かれています。
フォン・デニケンは、「古代のコンタクト」(“paleo-contact”)と古代宇宙飛行士説を広めた責を負うべき主要人物のひとりである。
“古代宇宙飛行士説を広めた責を負うべき主要人物”と、まるで思想犯のような扱いになっています(笑)
実際にデニケン氏は、古代宇宙飛行士説およびオカルトに否定的な人々からは、インチキを広めた中心人物のような扱いで紹介されていることが多いようです。
UFOや宇宙人の存在など、頑として認めていない人たちにとって、古代宇宙飛行士説なんて全くの嘘にしか聞こえないのも当然でしょう。
とはいえ、エジプトのピラミッドや、イギリスのストーンヘンジを始め、宇宙人が関与しているとしか思えないような古代遺跡やオーパーツが世界中に存在しています。
従来の学説では解けない多くの謎が、今も残されたままになっているのも事実なのです。
次ページでは、古代マヤ文明の遺跡から発見された「パレンケの宇宙飛行士レリーフ」と呼ばれるオーパーツについてご紹介します。