惑星ニビル接近! 人類滅亡を予言? 太陽系に第九惑星が存在する可能性

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惑星ニビルは存在するのか?

前頁で紹介した予言の内容を見ると、あたかもニビルという惑星が存在しているかの如く語られています。しかし実際には、惑星ニビル(Nibiru)は、まだ存在が確認されていません。

以前には、太陽系の第十惑星とも言われていましたが、現在では、冥王星が準惑星に格下げされたため(発見当初は惑星とされていた)、惑星ニビルは太陽系の「第九惑星」と言われています。

太陽系と惑星ニビルの位置

太陽系の「第九惑星」と言っても、繰り返しますが、実際の惑星ニビルの存在は確認されていません。今のところ、あくまでも仮説上の惑星であり、NASAも惑星ニビルの存在は認めていません。

では、惑星ニビルはSFや都市伝説から生まれたような創作上の惑星に過ぎないのでしょうか?

「惑星X」の存在

19世紀の終わり頃から、多くの天文学者たちは、「海王星の外側に未発見の惑星が存在しているのではないか?」と考えていました。

なぜならば、海王星の外側に一つかそれ以上の惑星が存在していないと、他の惑星の軌道計算に矛盾が生じてしまう(実際の観測と、理論計算との間に誤差が出る)ためです。

惑星は、お互いの引力が影響し合っているため、各惑星の軌道計算によって未発見の惑星、すなわち惑星X(読み方は、惑星エックス)の存在が予測できるのです。

そして1930年に冥王星が発見されました。「これが惑星Xの正体である!」と当初は期待されましたが、残念ながら違いました。冥王星の質量では、天王星や海王星の軌道を説明するには小さ過ぎたのです。

冥王星

▲1930年に発見された冥王星

地球・月と比較した冥王星の大きさ

▲地球・月と比較した冥王星の大きさの比較

  • 地球の直径:12,742km
  • 月の直径:3,474km
  • 冥王星の直径:2,377km

冥王星の質量は、発見された当時には「地球に匹敵する」と考えられていましたが、その後、観測が精密になると大きく下方修正されています。

1978年には、冥王星を回る衛星カロンも発見されており、現在、合計で5つの衛星が確認されています。

NASAが発表した第十惑星

2005年7月29日、NASAが第十惑星を発見したと発表しました。冥王星の外側に、太陽の周りを回る天体が存在しており、「エリス」と名付けられています。

準惑星エリス

▲左は、エリスと衛星ディスノミアの画像。右は想像図。

「これこそ、惑星ニビルの正体か?」と、またもや期待されましたが、しかし、こちらもニビルとは異なる準惑星であることが判明しています。準惑星エリスの大きさは、冥王星と同程度と考えられています。

その後も、海王星の外側に準惑星のマケマケが発見されていますが、こちらも惑星ニビルではありませんでした。

ちなみに、エリスの発見によって、天体は「惑星」「準惑星」「太陽系小惑星」の3つに分類されることになります。

このため、太陽系の未知の惑星を「第十惑星」と呼んでいましたが、その後には「第九惑星(プラネット・ナイン)」となり、さらに「惑星X(エックス)」などの呼び方も混在しているので、少しややこしくなっています。

また、紀元前6世紀のバビロニア人は、ニビルのことを「マルドゥク」と呼んでいたとされるため、その名前で書かれていることもあります。

第九惑星が存在する可能性

2016年1月20日には、米カリフォルニア工科大の天文学者2人(コンスタンティン・バティギン、マイケル・E・ブラウン)が、海王星の外側に第九惑星(プラネット・ナイン)が存在する可能性があると発表しています。

それによると、質量は地球の10倍、直径は地球の2~4倍、太陽の周りを1~2万年も掛けて公転していると推測しています。

参考)9番目の惑星の存在を示す証拠が発見された

天文学者のブラウン氏は、「新惑星の質量は冥王星の約5,000倍であり、冥王星とは異なり、プラネット・ナインの重力影響は極めて強く、惑星として分類することに疑問の余地はない」と述べています。

この発表は、計算による理論上の発見ですが、次には、惑星の画像を実際に撮影できれば、正真正銘の第九惑星の新発見になります。

但し、1~2万年も掛けて太陽の周りを公転しているので、今現在、どの位置にあるのか特定するのが難しく、現在の天体望遠鏡の範囲ではカバー出来ていない可能性もあります。

新発見に困難は付きものですが、近い将来、「第九惑星の撮影に成功!」のニュースが飛び込んで来るかもしれませんね!

第九惑星(プラネット・ナイン)のイメージ写真

▲第九惑星(プラネット・ナイン)の想像イラスト。ガス状で天王星や海王星に似ていると考えられています。

終末予言に対するNASAの声明

以上のように、2016年1月のプラネット・ナインの発表には心躍るものがありますが、惑星ニビルの存在は、未だに確認されていません。

しかし、あたかも惑星ニビルが存在しているかの如く、地球へのニビル接近や衝突が度々、話題に上ります。ここで問題なのは、世界が終わるという終末予言とともに、惑星ニビルの存在が語られていることだと思います。

それを見かねたのか、NASAとしては珍しく、以下の声明を出しています。

惑星ニビルと終末予言に対してのNASAの声明

多くの人々が、この9月23日に惑星が現れて地球に衝突し、世界が終わると“予測”しています。

ですが、その惑星というのは大いに疑問です。ニビルは存在しません。そして、地球に衝突する惑星もありません。ニビルの話は何年もの間、定期的に新しい終末論的寓話にリサイクルされています。

2017年9月20日のNASA声明

声明では、2012年のマヤの終末予言を引用して、このような予言が何度も繰り返されているけれど、実際には全ての予言が外れていると指摘しています。

NASAにしては踏み込んだメッセージを発信していますが、惑星ニビルについて無視できないほどの問合せがあったのかもしれませんね。

そもそもNASAがニビルの存在を指摘したことは一度もないのですが、なぜこれほどまでに、惑星ニビルが有名になったのでしょうか?

次ページでは、こちらも惑星ニビルとともに語られることが多い古代シュメール文明との繋がりについてご紹介します。

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