惑星ニビルと、シュメール文明
惑星ニビルの名付け親は、イスラエルの宇宙考古学者、ゼガリア・シッチン氏(Zecharia Sitchin:1920~2010年)です。
シッチン氏自身は、巷にあふれる終末予言とは一緒にされたくなかったようですが、もともとの惑星ニビルの話は彼から始まっています。
シッチン氏は、シュメール文明の粘土板を解読した結果、「古代シュメール文明を築いたアヌンナキの神々は、惑星ニビルから来た種族である」としています。
太陽系に未発見の惑星が存在しているだけではなく、ニビルには高度な科学を持つ異星人も住んでいると言うのです。
惑星ニビルと、シュメール文明
終末予言のせいで、惑星ニビルは3,600年の周期で地球に接近する度に、人類に大災害をもたらす破滅の星のイメージが、すっかり定着してしまいました。
しかし、その一方で、ニビルに住む異星人たちは、地球の文明を発展させる役割も果たしてきたと言われています。
シッチン氏が主張する「古代宇宙飛行士説」によると、今から約45万年前、惑星ニビルから地球に訪れた異星人(アヌンナキ)たちが人類を創造し、シュメール文明を発展させたことになっています。
その驚くべき内容は、古代シュメール人が遺したシュメール語の記録に書かれており、その記述を読み解いたシッチン氏は、古代宇宙飛行士説を唱えたのです。
終末予言のネタに最適な惑星ニビル
3,600年に一度、地球に接近する未知の惑星があり、その星にはニビル人が住んでいて、人類の創造・発展にも関与しているというシッチン氏の主張は、非常に興味深いと思います。
残念ながら、従来の学説では受け入れらない見解ですが、オカルト的には根強い支持を集めています。このため、終末思想と結び付いて、惑星ニビルに関連した様々な予言が、現在も絶えません。
シッチン氏の本意ではなくとも、惑星ニビルが3,600年という特殊な公転周期を持ち、地球に接近するという壮大な仮説は、終末予言のネタには最適なのだと思います。
終末予言に不安になる必要はない
私たちの太陽系には、まだ発見されていないニビルのような惑星がないとは断言できません。実際に、21世紀になってからもエリスを始め、準惑星クラスの天体は発見されているわけです。
前述したように、2016年1月20日には、米カリフォルニア工科大のチームが、第九惑星が存在する可能性も発表しています。
但し、未発見の惑星の存在と、それが地球に接近して壊滅的な被害をもたらすという話は、別にして考えたほうがよいと思います。
予言の通りに今現在、未発見の大きな惑星が地球に急接近しているのならば、NASAが気付いていなければおかしいですね。
世界がパニックになるのを恐れて、仮にNASAが情報を隠蔽していたとしても、世界中に無数のアマチュア観測家たちがいます。ニビルのような未知の惑星を発見したら、彼らが黙っていません。
このため、惑星ニビル接近による終末予言は、今後もネタは尽きないとは思いますが、それを信じて不安になる必要はないと思います。
ニビルではなく、それが巨大隕石や小惑星の衝突などの他の設定であっても、人類滅亡を予言をする人たちは数多くいるのです。
1999年7月のノストラダムスの大予言も、マヤ暦による2012年人類滅亡問題も、何事もなく人類は無事に乗り切っているわけです。
終末予言を心配するよりも、核戦争や環境破壊など、人類自身の手によって自滅しないように知恵を絞ったほうが、よほど建設的ですね。
参考)謎解き超常現象 II