謎の生物の正体は?
果たして、謎の生物の正体は何だったのでしょうか?
『「新」怪奇現象41の真相』によると、謎の生物の正体は「サメの腐乱死体である」という結論を出しています。
えっ! 伝説のUMAドラゴンから、一気に現実的なサメになってしまいましたね。『新・怪奇現象41の真相』では、以下の理由から、そう考えるのが妥当だとしています。
サメの尾びれの骨格に似ている
謎の死骸の尾と思われる部分が、サメの尾びれの骨格に似ています。サメやエイは軟骨魚類と呼ばれ、脊椎まで軟骨で形成されています。
サメの尾びれは、太い脊椎の骨から軟骨が並んで突き出し、尾の骨格を作っています。そのサメの構造が、写真に残されている謎の生物の尾と、よく似ているのです。
謎の死骸は脂肪部分が少ない
謎の死骸には、体に残されている脂肪部分が少なく見えます。サメも脂肪部分を分厚く蓄えないため、この点からもサメの死骸と考えられます。
謎の死骸の角は、骨である
スペイン海岸に打ち上げられた謎の死骸が、ドラゴンに見える一番の理由は「2本の角」でしょう。しかし、これは頭部から生えた一対の角ではなく、大きく破損した体の一部と思われます。
サメには胸びれが付着する「Pectoral Girdle」と呼ばれる、軟骨で構成されたU字型の構造(下図)があります。このサメの骨格が露出したものが、2本の角の正体と考えられます。
ドラゴンの正体は、サメの腐乱死体か?
以上のように、スペイン海岸に打ち上げられたドラゴンの正体は、サメの腐乱死体とのことです。
「サメにしては体が長すぎるのでは?」という疑問もありますね。でも、肉が腐敗して骨格だけが残ると、あたかもドラゴンのような流線型の体に見えるのかもしれません。
上記のように具体的な検証を並べられると、サメの腐乱死体説も、説得力を持った結論のように思えてきますね。
ただし、『「新」怪奇現象41の真相』には、「本当であれば、謎の生物の死骸を徹底的に調べ上げるのが望ましい」とも書かれており、これは写真を見ての判断であることも付け加えておきます。
今回のように、海岸に打ち上げられた生物は、そもそも腐敗しているために正体が掴みにくいという難しさがあります。DNA鑑定を行えばよいのですが、調査されずに廃棄されてしまうケースがほとんどです。
今となっては現物を確認できないので、「正体は何か?」の決着は付きにくいですね。
しかし、今回はサメであったとしても、まだ海には未知のモンスターが存在しているのではないか?という期待は残しておきたいものです。