「ロサンゼルスの戦い」の真相
午前3時16分から始まった米軍の対空砲火は、午前4時14分まで約1時間も続きました。その間、実に1430発もの12.8ポンド弾が発射されています。
しかし不可解なことに、敵からの反撃は一切ありませんでした。また、米軍が凄まじい集中砲火を浴びせたにも拘わらず、一機も撃墜ができませんでした。
結果としては、砲弾の破片によって街の建物や車が破損し、日本軍の空襲に怯えていた三人の市民が、パニックによる心臓麻痺を起こして死亡しています。
実際には日本軍の空襲ではなかったのですが、「ロサンゼルスの戦い」はアメリカ西海岸のみならず、アメリカ全土をパニックに陥れました。
この大事件を引き起こした飛行編隊の正体は、いったい何だったのでしょうか? 以下、「ロサンゼルスの戦い」の真相について考察してみたいと思います。
「ロサンゼルスの戦い」の写真への指摘
ロサンゼルス・タイムズの紙面には、複数のサーチライトが謎の飛行物体を追跡している写真が掲載されています。
現在では「ロサンゼルスの戦い」を象徴する写真として有名です。この写真をコンピュータで画像解析し、光の中に「謎の飛行物体が浮いている」と発表した研究者もいます。
しかし、『あなたの知らない都市伝説の真実: だまされるな!あのウワサの真相はこれだ!』によると、この写真には以下の疑問点が指摘されています。
- 謎の飛行物体を照らすサーチライトの光に、動いているという感じがない。
- 闇と光の境がはっきりし過ぎていて、空中で何物かを探している、という光のブレが全く感じられない。
要するに、あまりにも出来すぎた写真であり、修正液などを使い、かなりの部分でレタッチが施された写真である可能性が高いという見解です。
修正されている写真であった
昔は新聞写真といっても、扱いはルーズであったようです。
日本の戦中、戦後の新聞に載った写真の紙焼きの原画を調べてみると、被写体の後ろに不要なものが写っていたらホワイトで勝手に消してしまったり、人物の胸元に蝶ネクタイをインクで描き足してしまったり、勝手な修正が平気で行われていたようです。
この事情はアメリカでも変わりません。
実は2011年2月、ロサンゼルス・タイムズ紙が自社の写真アーカイブの中から、事件当時のUFO写真の原板を探し出してみたところ、修正液を使ってかなりレタッチされた写真であることが判明したのです。
修正された写真を解析して、「謎の飛行物体が浮いている」と言っても意味がないと言うことです。
確かに、写真が修正されていたとなると、この点は差し引いて考えなければなりません。とはいえ、そもそもの問題は、修正された写真にあるのでしょうか?
事件が起きている事実は変わらない
写真が修正されているという指摘に対して、率直な見解を述べたいと思います。
まず、「写真のサーチライトの光が動いている感じがない」という理由は、すでに飛行物体をサーチライトが捉えていたからではないでしょうか?
「じりじりするほど、ゆっくりと移動していた」というUFOの目撃証言もあるので、一旦、捕捉したならば、四方八方にサーチライトを動かして探す必要はありません。
また、「(写真の)闇と光の境がはっきりし過ぎている」という指摘もありますが、サーチライトが動いていなければブレないので、闇と光の境ははっきりとするのは当然です。
事件当夜は、灯火管制(敵機から見えないように電灯、ローソクなどの照明の使用が制限された状況)が敷かれていたので、街の灯りも邪魔しません。
このため、闇と光の境がはっきりと見えたものと思われます。
捏造と、明暗の調整は違う
仮に、写真の明暗が意図的に修正されていたとしても、それが大きな問題になるでしょうか?
実際には写っていないものを加えたり、あるいは消したりしたのならば捏造に当たります。しかし、闇と光のコントラストの調整は、現在のメディアでも当たり前に行われていることです。
昔はフォトショップのようなソフトがなかったので、少しやり過ぎたのかもしれませんが、修正液を使って明暗を調整したということでしょう。
そもそも大事なポイントは、写真が大幅に修正されていたとしても、事件そのものは実際に起きているという点です。
「ロサンゼルスの戦い」では、謎の飛行物体が軍のレーダーに捉えられ、実際に数千人もの人々が目撃し、米軍が迎撃しているのです。
写真に問題があったとしても、それは写真を掲載したメディアの問題です。謎の飛行物体が飛来していなかった、という結論にはならないのです。
では、ロサンゼルス上空に出現した謎の飛行編隊の正体は何だったのでしょうか?
次ページでは、いよいよその正体について考察してみます。