マイナスイオン効果は嘘? エセ科学と言われている理由

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プラズマクラスターの効果は?

実は、マイナスイオン・バブルが弾けた後には、マイナスイオンから派生した新しい商品が生まれています。

代表的なものとしては、シャープの「プラズマクラスター」でしょう。マイナスイオンでは、人体への健康効果が謳われました。しかし、それが批判を浴びたので、次にはイオンによる空気の集塵効果が注目されたのです。

プラズマクラスターもマイナスイオン同様、和製英語の造語であり、家電メーカーのシャープが商標登録しています。

プラズマクラスターイオンの空気浄化作用

プラズマクラスターによる作用抑制メカニズム

シャープが2008年に発表したプラズマクラスター技術は、プラズマクラスターイオンによる空気浄化を謳っています。

その仕組みは、プラズマ放電により、プラスとマイナスのイオンを放出し、空気中の細菌やウイルスを不活性化させるというものです。

シャープの主張によると、プラズマクラスターイオンには、以下の効果があるとされています。

    【プラズマクラスターイオンの効果】

  • 布に染み込ませたタバコの臭いを脱臭
  • 浮遊しているダニの糞や死骸等のタンパク質を切断して除去、アレルゲンの作用を低減
  • 空気中のウイルスを除去し、浮遊ウイルスの作用を抑える
  • 細菌の細胞膜のタンパク質を断片化して不活化
  • 浮遊しているカビの細胞膜のタンパク質を切断して分解除去
  • イオン濃度25000個/cm2の場合、肌の水分量の増加
  • 機能搭載エアコンの場合、内部のカビを除菌
  • (Wikiより抜粋)

プラズマクラスターの効果は実証済み?

プラズマクラスターは、2008年に製品を発表した翌年に新型インフルエンザが流行したこともあり、インフルエンザウイルスの感染率を約30%低減させたという発表が、大いに注目されました。

シャープは、東京大学、広島大学、大阪市立大学、ハーバード大学、ソウル大学など国内外の複数機関で研究を行い、プラズマクラスターの効果を実証していると主張しています。

その一方で、消費者庁は2012年、当該する掃除機を外部の研究機関に依頼して調べた結果、表示された通りの性能が出なかったため、不当表示としてシャープに措置命令を出しています。

これに対して、シャープ側は、プラズマクラスターの性能自体に問題はないとして、行き過ぎた広告表現への指摘として受け止め、広告表示を修正しています。

プラズマクラスター製品の使用感は?

実は、我が家にもプラズマクラスター製品があります。

実感として、プラズマクラスターの効果を感じられるか?」と聞かれても、空気中のウイルスが除去されているかどうかなんて、分かるものではありません。

個人的には、「効果があった!」と思いたいですが、効果があると言う人もいれば、感じないと言う人もいるのが現状です。

そうした中でも、商品は進化し続けているようで、今現在のシャープのサイトを見ると、新しい『プラズマクラスターNEXT』には、「ストレスがたまりにくい環境をつくる」「集中を維持しやすい環境をつくる」という効果も認められているそうです。

マイナスイオンのバブル崩壊後は、イオンが持つ空気の集塵効果が注目される流れになりましたが、ここにきて原点であるマイナスイオン効果にも、また近づいてきたようです。

プラズマクラスターのAmazon検索結果

マイナスイオン商品の後継としては、シャープの「プラズマクラスターイオン」の他にも、パナソニックの「ナノイー」や、東芝の「ピコイオン」などもあります。

その効果について、メーカー各社の実証データはありますが、本当に実用的な効果を得られるかどうかについては、未知数と考えたほうが良いとも言われています。

とはいえ、効果に懐疑的な見解を持つ研究者であっても、日本の家電メーカーの技術そのものは優秀である点を認めています。

残念ながら、その効果の測定結果を判断する、統一された手法が確立されていないと言ったほうが、正しいのかもしれません。

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マイナスイオンはエセ科学か?

森林のイオンのイメージ写真

マイナスイオンの健康効果については、科学的に明確な根拠は示せないとしても、その一方では、全く効果が無いという実証もできない、ということも事実ではあります。

現在においても、「マイナスイオンはエセ科学か?」と問われれば、研究者の間でも、未だに見解が分かれるのではないでしょうか?

マイナスイオン効果の科学的根拠と、誤解を招くような誇大広告表現の問題は、別個に考えたほうが良いのかもしれません。

なぜならば、科学的根拠がないと言うだけの理由で、エセ科学のレッテルは貼れないと思うからです。

今現在は科学的に認められていないものであっても、将来的に解明される可能性は、ゼロではないわけです。ひょんなことから、マイナスイオンとは別に、全く新しい発見が成されることもあります。

また、誇大広告については、科学的な根拠が示されている商品であっても、誇大広告はNGです。消費者庁によるプラズマクラスターの措置命令も、広告の不当表示が問題であって、プラズマクラスターの性能そのものの指摘ではなかったわけです。

今回は、マイナスイオンの否定的な見解を多く紹介してきましたが、科学的な根拠のないものを、全てエセ科学として否定することが科学ではありません。

マイナスイオン効果が解明される可能性も、残しておきたいものですね。

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